お酒を求めて人々が集う酒場「パブ」はイギリスだけでも5万軒以上が存在しているといわれ、単なる酒場だけでない「人々の交流の場」として親しまれています。パブの多くは古めかしい建物や調度品などで雰囲気をかもし出しているのですが、「いったい世界最古のパブはどこにあるのか?」ということがYouTubeチャンネル「Great Big Story」で調査されています。

Searching for the World’s Oldest Pub - YouTube

今回ピックアップされているのは、イングランドとアイルランドにある4軒のパブ。まずはイングランドのノッティンガムにあるパブ。



小ぶりなバーカウンターに立つ、オーナーのカール・ギブソンさん。「イングランドで最古のパブへようこそ」と自信満々に迎えます。



パブ「Ye Olde Trip To Yerusalem」のオーナーは、壁に掲げられている記録では1760年までさかのぼることができるとのこと。



パブの内部は洞窟のような雰囲気



パブそのものの起源は、この街に最初の城が建てられた1070年にさかのぼるとのこと。



城は、パブのすぐ後ろの岩山に建っています。



店のご自慢の品は、この帆船の模型。



ホコリをかぶり、現在はクリアケースに収められている帆船。これまでにこの帆船のホコリを落としてキレイにしようとしたものは、謎の最期を遂げてきたという伝説があるとか……。



「ウチが世界最古のパブかどうかはわからないけど、世界で最高のビールを出しているのは間違いないね」と自信をうかがわせるギブソンさん。



看板には「1189年」の文字が書かれているようです。



次は、「イングランド最古のパブ『Ferry Boat』へようこそ。たぶん世界最古かもね」と語るサマンサ・アダムスさんのパブ。



イングランドのケンブリッジシャーにあるお店です。



このパブは西暦1050年から営業しているとのこと。



しかし言い伝えではさらに500年ほど古い560年から存在しているともいわれている様子。



「ウチには古ぼけた帆船模型なんかないわ。かわりに『オバケ』が出るのよ」と穏やかでないことを言い出すアダムスさん。



それもそのはず、このパブは「ジュリエット」という名の若い女性のお墓の上に建てられているとのこと。



「一つだけ言えることは、ウチが最高のビールを出してることね」とアダムスさん。パブのオーナーはだいたい同じことを言うようです。



次は、イングランドのボルトンにある「Ye Olde Man & Scythe」というパブ。



「世界最古のパブへようこそ。古すぎていつからやってるのか、わからないけどね」と語るのはオーナーのリチャード・グリーンウッドさん。



「記録では1251年からやってることになってるけど、お店のデザインは西暦1000年ぐらいに作られたものだ」と語ります。



「オバケが1人?ウチはもっとたくさん居るよ」



「ウチには53人のオバケが居るといわれている」



その代表格といわれるのが、1651年に処刑された第7代ダービー伯爵、ジェームズ・スタンリー のオバケ。



スタンリーは、清教徒革命(イングランド内戦)で王党派に属して議会派と戦いを繰り広げましたが、敗れてこのパブの前で一生の最後の数時間を過ごしたとのこと。



この店の前で首をはねられ、最期を迎えたそうです。



「ウチが一番古いパブだと思う。一つ言えるのは、最高のビールを提供してることだね」と、やはり同じことを言うグリーンウッドさん。



最後に登場するのは、アイルランドにあるパブ「Seans Bar」のティミー・オドナバンさん。「おっとそこまでだ。世界には最古をかたるパブがたくさんあるが、調査の結果ウチが最古だってことがわかっている」と自信をのぞかせます。



オドナバンさんの店があるのは、アイルランドのアスローンという街。



実際には、この街ができるよりも古い時代からパブとして営業してきたそうです。



その歴史は、なんと西暦900年にまでさかのぼります。歴代のオーナー全ての名前が記録に残っており、初代オーナー「ルー」さんがこの店を始めたことがわかっているとのこと。



「ルーは人々を連れて、この川の浅瀬にある場所にやってきたんだ」



「ここにね」と指すのは、アスローン市街地を流れるシャノン川の岸辺。かつて浅瀬が広がっていたこの場所は交通の要所ともなっており、なんと青銅器時代から使われていたこともわかっているとのこと。次第に人が集まり、この街が始まったという歴史があるそうで、初代オーナーのルーさんはその先駆者とも言える存在だった模様。



そして何より、このパブはギネスワールドレコーズの「アイルランドで最も古いパブ」として認定されているとのこと。店内にはギネスの認定証が掲げられています。古くからの記録が残されていたことが認定のカギとなったようです。



歴史を感じさせる店内の様子。



「パブはどこでも『最高のビールを』というけれど、ウチは『最高のウイスキー』を出しているよ」と、他のパブの一枚上を行くオドナバンさん。



ついにたどりついた感のある「世界最古のパブ」。歴史あるパブをハシゴするのもまた、飲み歩く楽しみの1つかもしれません