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 9月29日、日産自動車は国内の6工場で、社内で認定されていない社員らによる完成車検査が行なわれていたと発表した。同社は21車種約6万台(「リーフ」「ノート」含む)の引き渡しを一時停止し、検査をやり直すとしている。

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 道路運送車両法に抵触する疑いもあり、国土交通省は同社に再発防止を指示した。同省の道路運送車両法に基づく指針では、各メーカーが行う完成車検査を社内の研修を経て認定した社員が担当するよう求めている。しかし、同省が18〜29日に同社工場の立ち入り検査を実施したところ、追浜工場、栃木工場など国内全6工場で不適切検査が行われていた可能性を掴んだ。未認定の社員による不適切検査がいつから行われていたかなどは調査中だったが、同社はその後、約121万台のリコールを発表している。今後、第三者を交えて詳細な経緯や原因を調べる。

 型式指定制度では本来1台ずつ国が行う検査を車メーカーが肩代わりしており、大量生産車の安全性などを審査する制度の趣旨が骨抜きにされた格好だ。燃費データを水増しして届け出た三菱自動車問題にも相通じる面があり、国への重大な背信行為である。石井啓一国土交通相は「制度の根幹を揺るがす行為だ」と日産を厳しく批判するコメントを出した。国交省は国内の他の車メーカーにも同様の不適切検査の有無について報告を指示した。

 出鼻を挫くという表現があるが、まさに「新型リーフ」は出鼻を挫かれた。日産は新型「リーフ」を10月2日に世界に先駆けて日本で発売し、販売台数目標を「初代の2倍」と打ち上げた矢先である。世界中がEVで沸き返り、テスラの最新機種「モデル3」の驚異的な予約状況が耳目を集める中に投入を宣言された新型「リーフ」は、色々な意味で大きな注目を集めていた。航続距離は米国基準で150マイル(約241km)と見劣りすることは否めなかったが、新機能が搭載された新型「リーフ」は顧客に支持される筈だという期待があった。

 確かに自動車は生鮮食品と違って店頭ですぐ購入する訳ではなく、販売店の営業担当者が積み上げてきた「予約」がある。この「予約」が大崩れするかどうかは今後の推移にもかかわることだろうが、購入を真剣に検討している人や、決めかねてきた人の気持ちを後ろ向きにさせることは間違いない。

 燃費不正事件で大揺れした三菱自動車は、日産という頼れる後ろ盾が付いたからこそ信用を回復することができた。その大黒柱たる日産に同じような事例が起きて「同じ穴の狢(むじな)?」と指弾されることは、ルノー・日産アライアンスにとって大いなる誤算であろう。