バイエルンとの大一番で躍動し、10月3日に日本代表に合流した原口。ヘルタ・ベルリンでは一時戦力外に近い扱いを受けたが、徐々に評価を高めている。(C)Getty Images

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 ヘルタ・ベルリンに所属する原口元気が10月3日、日本代表に合流した。
 
 9月5日のサウジアラビア戦からの約1か月、原口はドイツで不遇の日々を過ごしていた。ブンデスリーガ3節のブレーメン戦は出番がなく、続くホッフェンハイム戦、レバークーゼン戦では終了間際に途中出場でピッチに立ったのみ(出場時間はそれぞれ8分、3分)。そして6節のマインツ戦ではまたしても出番を与えられなかった。
 
 ウイングのレギュラーから一転、控えに降格してしまった理由のひとつが去就問題だ。今夏にヘルタ・ベルリンから契約延長のオファーを受けたが、原口はこれを固辞してプレミアリーグへの移籍を志願。しかし、8月31日までの移籍期限までに正式オファーはなく、残留を余儀なくされていた。
 
 一方のヘルタ側も原口の移籍を前提にチーム作りを進め、マシュー・レッキー、ヴァレンティノ・ラザロら即戦力のウイングを補強。居場所を失った原口はテストマッチで右SBで起用されるなど構想外に近い扱いを受けて、ブンデスリーガ開幕後もなかなかチャンスを与えられなかった。
 
 ようやくトンネルの出口が見えたのが、7節のバイエルン戦。6連覇中の絶対王者をホームに迎えた大一番で、先発メンバーに名を連ねたのだ。左ウイングで起用された原口はこのチャンスを見事に活かす。2点ビハインドで迎えた51分、左サイドから中央に切り込むと、ヨシュア・キミッヒ、ジェローム・ボアテング、マッツ・フンメルスを次々と抜き去り、ゴール前にラストパス。これをオンドレイ・ドゥダが押し込んで1点を返した。
 
 このゴールで勢いに乗ったヘルタは56分に同点ゴールを奪い、バイエルン相手に価値ある勝点1をゲットした。
 
「ゲンキはいつもあんなクレイジーなプレーをしているよ」
 
 得点場面を振り返りつつ、原口を称えたのがドゥダだ。ブンデスリーガの猛者たちをごぼう抜きしたアシストは、それだけのインパクトがあった。
 
 ヘルタで出番に恵まれていなかった影響もあり原口は、ワールドカップ出場が懸かった8月31日のオーストラリア戦では乾貴士に先発の座を譲った。一時は4試合連続ゴールを決めるなど不動の存在となりつつあったが、ここにきてその地位は揺らぎつつある。
 
 左太腿裏の張りを訴えて4日の練習を欠席し、6日のニュージーランド戦の出場は微妙な状況だが、ピッチに立てばヘルタで見せている「クレイジーなプレー」を披露してくれるはず。蘇ったドリブラーの奮起に期待したい。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部