フェイスブック ジャパンのオフィスでは飲み物は無料だ(撮影:今 祥雄)

ここまで3回の連載では、コミュニケーションの進化やそれに伴うマーケティングの変遷についてお話をしました。今回は、少し目線を変えて、Facebookという会社のカルチャーについて、そしてそれを体現する働き方についてご紹介したいと思います。

働き方を体現する3つのキーワード

Facebookでは、クリエイティブな問題解決と素早い意思決定につながるオープンな組織を実現したいと考えています。それを表すキーワードは以下の3つです。


フェイスブック ジャパンのオフィスには図書ルームもある(撮影:今 祥雄)

1. OPEN & INNOVATIVE:オープンでかつイノベーティブ

2. PROFESSIONAL& PERSONAL SUCCESS:プロとしてそして個人としての成功

3. DIVERSITY& INCLUSION:ダイバーシティとインクルージョン(多様性と包括)

このキーワードは、フェイスブック ジャパンのオフィス環境にも生かされています。オフィスをご紹介しながら、私たちが働くうえで何を重視しているのかをお話しします。ぜひオフィスの360度動画も併せてご覧ください。

フェイスブック ジャパン オフィス 360度動画


オフィスに設けられた「Facebook Wall」(撮影:今 祥雄)

まず、OPEN & INNOVATIVEについてご説明します。オープンなコミュニケーションをかなえるスペースとして特筆したいのが、受付を過ぎてすぐのオープンスペースです。 コミュニケーションが自然に生まれ、時にイノベーションへと発展するような、私たちの会社にとって重要な役割を担う空間です。

ここでは社内のメンバーだけではなく、社外の方々も含めてオープンなコミュニケーションを取っていきたいと考えています。ですので、ご来社いただいたお客様やパートナー様、社員にもサインやロゴ、メッセージを書き残してもらうウォールを設置しています。


ラウンジの様子(撮影:今 祥雄)

軽食が取れるキッチンスペースも、そうしたインタラクションやコラボレーションが日常的に生まれることを意識し、長いテーブルと多くのいすを配置しています。個々の仕事スペースも仕切りなどは一切なく、簡単にコミュニケーションがとれます。

また、オフィスの天井はあえてむき出しにして、配管などが見えるようにしています。これは、私たちの会社も、製品・機能も、発展途上であると日々全員で実感することで、もっとイノベーションを起こしていこうというメッセージになっています。

2番目のPROFESSIONAL& PERSONAL SUCCESSでも、さまざまな取り組みを進めています。


SHOWER ROOM(撮影:今 祥雄)

今年5月のリノベーションでは、社員のパフォーマンスを最大化するためシャワールームを設置しました 。社員が自転車通勤やランニングをした後、あるいは外出先から帰社した際にリフレッシュできるスペースです。また、健康に配慮したスムージーやオーガニックな原材料で作られた軽食を常時用意。ウェルネスをサポートする費用(ジム・マッサージなど)の一部も会社が負担し、一人ひとりが健康的に過ごせるようなサポートが充実しています。

また、どこにいてもスマートフォン一つでテレビ会議に参加できるようにインフラを整備しており、社員は世界中どこからでも働くことができます。フレキシブルに働ける環境を整えることがパフォーマンスにつながると考えています。

3番目のDIVERSITY & INCLUSIONでも、先進的な取り組みをしております。

ダイバーシティ観点の施策で言いますと、子どもが生まれてから1歳になるまでに、4カ月の育児休暇が男女かかわらず取得でき、その間のサラリーも100%保証されます。実際に、男性執行役員の営業本部長が育児休暇を取得して家族をサポートする、という事例もフェイスブック ジャパンでは生まれています。

またオフィス面でも女性社員が搾乳できる「マザーズルーム」を新たに設置しました。現在、産休・育休を取っている女性社員もおり、彼女たちが職場復帰した後でも、搾乳スペースとして使ってもらいたいと考えています。

Facebook社員の働き方が凝縮されたWorkplace

オフィスの環境をそのままほかの企業に取り入れていただくのは難しいかもしれませんが、オープンで風通しのよい働き方は取り入れていただけるかもしれないと思い、その中核を担うツールをご紹介します。

それは、今年5月に日本で正式リリースしたWorkplace(ワークプレース)です。一言で表すなら企業様用の社内コミュニケーション向けFacebookなのですが、私たちの働き方そのものが凝縮されており、日本の課題となっている働き方改革にも寄与できるのでは、と考えています。


Workplace画面

従来の会議とEメール中心のコミュニケーションは、スピーディな情報共有や決断を進めるうえでベストなものではないかもしれません。ビジネスを効率よく、イノベーティブに進めるには、さまざまな形のコミュニケーションを自在に組み合わせるべきだと私たちは考えています。

Workplaceでは、 Facebookを使うのと同じ要領で情報共有ができます。またWorkplaceに付随するWork Chat(FacebookでいうMessenger)で質問した際に「これは話したほうが早そうだ」と思えば、そのまま3分程度のビデオ会議に移行して、すばやく解決することができます。

ほかにも、決定プロセスにもう一人参加が必要であれば、グループビデオ通話に切り替えて施策を決め、すぐに実行に移すなど……。コミュニケーションが自在になることで、スピードも議論の質も格段に変わってきます。

そもそもWorkplaceの発端は、Facebookの社員が業務にFacebookのグループ機能を活用していたこと。今、Facebook社内では、Workplace上に多くのグループが作られています。

たとえば、広告ビジネスの担当者が同じような課題を持つ世界中の担当者とノウハウを共有するグループ、女性の活躍を応援する部門横断のグループ、社内イベントのためのグループなどがあります。さまざまなレイヤーのコミュニティで盛んに意見が交換され、その情報に全社員がアクセスできます。

フラットでオープンなコミュニケーションが可能に

グローバルに目を向けると、Workplaceの興味深い事例が数多く出ています。世界2000店舗以上の店長、店舗スタッフ、経営幹部がWorkplaceに参加するスターバックスでは、ローカルの店舗のバトラーの方のドリンクメニューのアイデアが経営層に瞬時に届き、オフィシャルメニューに採用されたという事例もあります。

また、シンガポール政府の場合では、14万人もの公務員が参加するフラットでオープンなコミュニケーションが政府機関で実現したことに、さまざまな国から驚きの声が上がっています。場所や役職にかかわらず、フラットでオープンなコミュニケーションを可能にすることも、Workplaceの強みの1つです。

日本でもWorkplaceを導入する企業が着々と増えています。たとえば琉球銀行では、導入後1カ月で250を超えるグループが誕生するなど、非常に積極的にご利用いただいています。グループでのコミュニケーションだけでなく、社内イベントで頭取から全職員向けにライブ動画でメッセージを配信したり、株主総会において事務局と議長の間のコミュニケーションにチャット機能を用いるなど、さまざまな形でWorkplaceを活用いただいています。


琉球銀行 Workplace活用例

次回の最終回では、日本という国がFacebookの中でどういう位置にあるか、そしてFacebookが日本の社会、経済に今後どう貢献していきたいかについてお話しします。