キャリア初のシーズン途中解任を味わったアンチェロッティ。その去就に注目が集まる。(C)Getty Images

写真拡大

 カルロ・アンチェロッティの運命にはひとつの都市が記されている。パリだ。カタール資本に買収されたばかりだったパリ・サンジェルマンに2012-13シーズンの国内リーグ・タイトルをもたらし、そして何よりもそれまで欠けていた勝利のメンタリティーをクラブに植え付けた。
 
 あれから4年が過ぎ、バイエルンを率いて対戦相手として戻ってきたパルク・デ・プランスのチャンピオンズ・リーグ(9月27日)で、アンチェロッティは0-3の完敗。その翌日には長いキャリアの中でも初めてシーズン中の途中解任という憂き目に遭った。
 
 ピッチ上の結果だけでなく、何人かの主力選手(トーマス・ミュラー、アリエン・ロッベン、フランク・リベリなど)との対立がその大きな引き金だった。
 
 突然フリーの身になった今、5大リーグでビッグクラブを率いてそのすべてに何らかのタイトルをもたらした名将はどこに向かうのか。イタリア代表? 今のところはノーだ。ミランやチェルシーへ復帰? これも現時点で可能性はない。
 
 次の舞台は勝手知ったる場所への復帰になるかもしれない。中でもありえるのは、運命に記された都市、パリへの帰還だ。
 
 本人が「10か月は休みたい」と語っているだけに、今シーズン中は今のところありえない。しかし、現指揮官のウナイ・エメリはネイマールやエディンソン・カバーニをはじめとするスター軍団をまとめ上がるには、実績もカリスマも不足していると言わざるをえず、今シーズンにクラブ悲願のビッグイヤーを獲れなければ来夏にはクビが飛ぶだろう。
 
 その2018年夏ならば、アンチェロッティのパリ帰還は十分にあり得る。すでにコンタクトは始まっている。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。