「いかり肩」か「なで肩」かで、効果的なストレッチの仕方は異なる

「仕事の合間に簡単ストレッチ」2回目の今回は、1回目に続いて肩こり・首こり解消のためのストレッチを紹介します。
肩や首のこりは、首から肩周りの筋肉に過剰に負担がかかる人によくみられる症状です。特に長時間パソコンを使用する人は、キーボードをたたくとき無意識に肩を固定し、力をこめています。さらに背中を丸め頭だけ起こして画面を見ている姿勢では、重い頭を支えるために首から肩の筋肉は常に緊張しています。
緊張して硬くなった筋肉が血管を圧迫し、血行不良からこりや痛みを引き起こすことは以前述べたとおりです。(「肩こり・首こりに効く-座ったままできる仕事の合間のストレッチ」)。

首や肩がこったとき、自然と首を傾けたり回したりしていることがあるでしょう。でも、その動作はあなたにとって効果的でしょうか? 実は、「いかり肩」か「なで肩」かによって、伸ばしたほうがよい筋肉と伸ばしてはいけない筋肉とがあり、効果的なストレッチの仕方は異なるのです。

自分がいかり肩か、なで肩かの見分け方は簡単。鎖骨のラインが外側に向って上がっていたらいかり肩、下がっていたらなで肩です。デスクワークが多く、猫背で頭を前につき出している人は、肩が上がった状態で固定されていかり肩になりやすく、現代女性はこのタイプが多くなっています。このように、いかり肩・なで肩の違いは、元々の体型よりもむしろ普段の姿勢のほうが大きな要因となっています。

それでは、それぞれのタイプに効果的な肩こり・首こりの対処法を紹介しましょう。

首を倒して回してストレッチ。なで肩の人はストレッチしてはいけない筋肉も

首こり・肩こりに関係している主な筋肉に、「僧帽筋」と「肩甲挙筋」があります。僧帽筋は後頭部から肩関節、背中までを広く覆う菱形の筋肉で、腕や肩を持ち上げる働きをする「上部線維」と、肩や肩甲骨を引き下げる「下部線維」があります。肩甲挙筋は、首から肩甲骨をつないでいる筋肉で、肩甲骨を持ち上げる働きをしています。

両肩が持ち上がったいかり肩の人は、僧帽筋上部線維と肩甲挙筋の両方が硬くこって縮んでいますから、この2つの筋肉をストレッチするのが効果的です。

一方なで肩の人の場合、肩甲挙筋は使い過ぎで硬くなっているためストレッチするとよいのですが、僧帽筋上部線維は、腕の重みに負けて伸びてしまっている状態ですから、ストレッチは逆効果になります。

上記の理由で、いかり肩の人は次の(1)肩甲挙筋のストレッチと(2)僧帽筋上部線維のストレッチの両方を、なで肩の人は(1)だけを行います。

(1)肩甲挙筋のストレッチ(いかり肩の人、なで肩の人ともに行う)
いすに座って背筋を伸ばし、左手で右肩が上がらないように押さえ、首を左側に倒しながら左に回し、鼻を左の肩に近づけましょう。右手は床方向に伸ばすようにします。反対側も同じように行いましょう。

(2)僧帽筋上部線維のストレッチ(いかり肩の人のみ行う)
いすに座って背筋を伸ばし、左手で右肩が上がらないように押さえ、首を左側に倒しながら右に回し、左の耳を肩より前に出しましょう。右手は床方向に伸ばすようにします。反対側も同じように行いましょう。

ストレッチングの時間は、左右それぞれ30秒間を目安に3セットずつ行いましょう。勢いをつけたり、無理に伸ばすことは避けましょう。

また、いかり肩の人は僧帽筋下部線維が弱く、なで肩の人は僧帽筋上部線維が弱いので、それぞれ鍛えることをおすすめします。これも、簡単にやり方を紹介しておきましょう。

●いかり肩の人の僧帽筋下部線維の鍛え方
背筋を伸ばして立ち、両肩を軽く上げてからストンと落とし、肩の力を抜きます。次に両手をお尻の後ろで組んで下に向って伸ばし、さらに肩を肩甲骨ごと下げるようにします。このときおなかは引っ込め、腰が反らないようにします。

●「なで肩」の人の「僧帽筋上部線維」の鍛え方
両ひじを曲げて腕を横に開き、ひじを肩より高く上げる。ひじと肩の角度はそのままに、肩甲骨ごと上に引き上げるようにします。ひじが伸びたりしないように、肩甲骨が持ち上がっていることを確認しながら行います。

それぞれ10〜20回ずつ、こったかなと思ったら行いましょう。

(編集・制作 (株)法研)
※この記事は2012年11月に配信された記事です