移籍後初ゴールを決めた井出遥也。彼のポテンシャルはまだまだこんなものではないはずだ。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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[ルヴァン杯準決勝 第1戦]C大阪 2-2 G大阪/10月4日/ヤンマー
 
 浪速の青黒軍団を救ったのは、千葉育ちのアタッカー・井出遥也だった。
 
 1-2で迎えた最終盤。80分からピッチに立っていた井出は、キレのあるドリブルで攻撃を活性化。チームに勢いを与えると、86分に大仕事をやってのけた。初瀬亮が右サイドから中央に折り返すと、ペナルティエリア内に走り込んだ24番が右足を一閃。これが見事にネットに突き刺さり、貴重な同点弾を奪ったのと同時に2つ目のアウェーゴールをチームにもたらした。
 
 今季からチームに加わった23歳。昨季まで所属していた千葉では背番号8を背負い、チームの若き至宝として躍動感のあるプレーを連発していた。とりわけ、軸のブレない”キュッ”と音が鳴るようなターンは絶品の一言に尽きる。相手の手玉を取るような動きで好機を演出し、ゴール前で抜群の存在感を見せていた。そのパフォーマンスはリオ五輪世代を率いた手倉森誠監督(現・日本代表コーチ)の目に留まり、2015年にはU-22日本代表へと選出。惜しくもリオ五輪出場は叶わなかったが、J2でのプレーぶりが評価され、今季から戦いの場をJ1へと移すことなった。まさに、順調にステップアップを果たしてきたと言っていいだろう。
 
 しかし、G大阪に移籍後は思うようなプレーを見せられなかった。怪我の影響で苦しみ、今季、公式戦のピッチに立った機会はここまで天皇杯の1試合のみ。ルヴァンカップの大阪ダービーはようやく掴んだ出場機会だった。そして、迎えたC大阪戦。期する想いがあったのは容易に想像できる。

 起死回生の同点ゴールを奪った井出は、試合後のヒーローインタビューで、「個人として出場する機会が少なかったけど、シュートを振り切れた。代表戦で選手がいない中で、途中出場の選手がゴールを決められて良かった」と安堵しつつ、“やってやったぞ”という充実感に満ちた表情を見せていた。
 
 ただ、これで終わりではない。4日後の8日には準決勝第2戦が待っている。次はチームを勝利に導く活躍を見せ、吹田スタジアムでサポーターと一緒に歓喜の瞬間を分かち合うことができるか。井出のポテンシャルを考えれば、不可能ではない。