自分で保育園を作ることにした筆者・小阪。では、具体的にどんな園が理想なのか。小阪が考えたひとつめは保育者と保護者の連携がよく取れる園、2つ目は園児個人と向き合える園、そして、3つ目は……。

文・小阪有花

【グラドルから保育園へ】vol. 75

保育士のケアも重要

保育園を作るにあたり意識すること、3つ目は、保育士同士の人間関係をケアすることだ。あまりいいたくないことだが、本音を漏らしてしまうと、保育士同士は仲が良くないことが多い。もちろん、どこもそうとは言わないが、やはり、女性が多い職場は、いろいろむずかしい。女の人は、男の人と違って、割りきりが苦手なんだと思う。保育士限らず、女性の話を聞いていると、いつだって、自分と同じ温度、感覚を求めてしまうようにみえる。

しかし、女性のモチベーションは、頑張る時は、喝をいれる!などといった男性的思考とは違い、頑張りたい時こそ、共感を求める生き物だ。自分のしていることを認めてもらい、なおかつ “気持ちを察してもらいたい” と願ってしまうのが女性。なので、自分と同じ考えじゃない人や、自分の行動に、理解をしめそうとしてくれない人、自分と同じ温度で物ごとに取り組まない人を敵とまではいかないが、仲間と認識できない思考にあるように私はみえる。

まぁ、こう言ってしまうと、女性の器が小さく悪者にみえてしまいそうなので、弁解させていただくと、この女性の思考は、大なり小なりあるべくしてある感情なのだと思う。女の人の体には、命を生み出すことができる素晴らしい機能が備わっている。要は、女性の体は、自分だけのものであっても、実はそうではない。女性は、妊娠していない時でも、いつだって生命を守る体である。

弱さゆえに仲間を求める女性の思考。

しかし、女性の体は弱く、腕力といった力では男性には勝てない。力で勝てないなか、自分が自分を守る方法はなにか? それは、個ではなく、団体。仲間に守ってもらうしかないのである。よく、男は力がある代わりに、女には涙という武器がある。と聞くが、私からすれば、涙でその場をうまくおさめることができるのは、信頼関係があるからこそ。

どんな時にだって発揮できる腕力とは違う。腕力で命が守れることがあっても、涙で命は絶対に守れない。精神は女性のほうが強くても、それは平和な空間だからこそ生きるもの。いざとなったら、女性は男性に勝てない。でも、女性は守るべきものが常に自分の中にある。それを、自分の意識は認識してなくても、本能は理解している。だから、女性の、常に仲間を探し、敵、味方とくくってしまう思考は、私はあるべくしてあるものだと思う。

まぁ、これは個人的意見だけどね。けれど、女性の、仲間を探し求め、認められ、共感を大切にする思考は、絶対に理解していなくてはならないし、忘れてはならないものだ。上に立つものは、これを踏まえたうえで、女性と接しなくてはいけないと思う。

こさか ゆか/保育園プロデューサー リバイバルミーティング代表。チャイルドカウンセラー、家族療法カウンセラー、幼児食インストラクター、ベビーシッター資格習得。 2004年ミスマガジングランプリを獲得し芸能界デビュー。グラビアアイドルとして活躍後、2009年に引退。現在は子どもの心スペシャリストとして活動中。

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