「ICUグランパ」と呼ばれる82歳男性(画像は『Children's Healthcare of Atlanta 2017年9月28日付Facebook「They call him the ICU Grandpa.」』のスクリーンショット)

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リタイア後の人生は人それぞれ。米ジョージア州アトランタに住むある男性は、12年にわたり早産などでNICU(新生児集中治療室)や小児集中治療室(PICU)に長期入院する子と触れ合うボランティアに精を出し、赤ちゃんやその家族の大きな癒しの存在になっているという。『People』『Inside Edition』『Mirror』などが伝えた。

アトランタに暮らすデイヴィッド・ダッチマンさん(82歳)は妻と50代の娘2人、孫2人(現在19歳と21歳)に恵まれ、インターナショナルビジネスのマーケティング分野で活躍し15年前にリタイアした。その後、地元にある複数の大学で講義をし自由な時間を費やしていた。しかしそれだけでは物足りず、デイヴィッドさんはある日アトランタの子供病院「Children’s Healthcare of Atlanta」を訪れ、何かボランティアでできる仕事はないかと尋ねた。それからデイヴィッドさんの週2回の病院訪問が始まったという。

デイヴィッドさんは最初の1年間、PICUでのみボランティアをしていたが、その後すぐにNICUでも活躍するようになった。12年という長きにわたり毎週火曜はPICUに、木曜はNICUにいる赤ちゃんを抱っこし、時には子守唄を歌いながら優しく赤ちゃんを撫でたりして癒しを与えている。「もう1000人以上の赤ちゃんを抱っこしたよ。12年はあっという間だった」とデイヴィッドさんは語る。

病院スタッフや赤ちゃんの保護者らから「ICUグランパ」と呼ばれているというデイヴィッドさんは、抱っこしていた赤ちゃんが排泄したり嘔吐したりすることも「素晴らしい報酬」と目を細める。

「ここでのボランティアにはとても満足しているよ。泣いている赤ちゃんを静かにさせるというだけではなく、赤ちゃんを抱っこし続けていると温かい繋がりが生まれるんだ。赤ちゃんが私の胸に顔をくっつけてくるだけでもありがたい気持ちになるね。赤ちゃんを癒すことが大好きだけど、この病院の雰囲気もとてもいいんだ。」

NICUナースのエリザベス・ミッティガさんは「デイヴィッドさんは私たちやNICUの赤ちゃんたちにとって、とても大切で特別な存在です。赤ちゃんたちはみなデイヴィッドさんが大好きで、私たちも彼がNICUチームの一員としてここにいてくれることを嬉しく思っています。それに触れ合いを経験することで赤ちゃんの成長が促進し、ミルクもよく飲むようになるんです。そうなれば早く退院することもできますからね」と話している。

デイヴィッドさんは、赤ちゃんたちだけの癒し的存在ではない。NICUに入っている我が子を心配し不安を抱える母親たちの手を取り、話を聞き、時には寄りかかれるための肩を貸すこともあるという。

「赤ちゃんを抱っこするのと同じぐらい、母親の手を握ることは大切なんだよ。病気の赤ちゃんの家族も、ずっとそばにいられるわけじゃない。そんな時こそ私の出番だと思っているんだ。赤ちゃんの両親は大きなストレスを抱えているから、『私がしっかりと赤ちゃんを見ておいてあげるから朝食を取りに行っておいで。大丈夫、私がついているからね』と安心させてあげることが何より重要なことなんだ。NICUでは常に変化が起こるから、訪れる度ドアの向こうで私にどんなチャレンジが待ち受けているのか、何を目の当たりにするのかということは予測できないんだ。でも、赤ちゃんを抱っこすることで温もりや愛を与えてあげることができるから、自分ができることにはいつもベストを尽くしているよ。」

そう話すデイヴィッドさんは、きっとこれからもNICUで頑張る赤ちゃんと見守る両親たちの心強い味方になっていくに違いない。このニュースを知った人からは「なんて素敵な人なんだろう。きっと世界で一番いいボランティアだね」「デイヴィッドさんがしていることは他の病院でも必要なことだよ。これからもこの素敵な仕事を続けてほしいな」「彼こそ真の心優しい紳士だね」といった称賛の声が相次いでいる。

画像は『Children's Healthcare of Atlanta 2017年9月28日付Facebook「They call him the ICU Grandpa.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)