人間と言葉での会話ができない犬。その分、鳴き声、身体の体勢、表情など、さまざまな形でその感情を表現してくれます。

今回は叱っている最中や散歩中などに見られる「腰が引けている」状態について、どういう心理なのかを探っていきます。その体勢からも想像がつくように、腰が引けている状態はやはり、、、な感情を表しているようです。

腰が引けているときの心理

犬の腰が引けている状況といえば、どういう場面を思い浮かべますか。そのほとんどが「叱られている時」「散歩中に見知らぬ犬と遭遇した時」「散歩中に見知らぬ物や人と遭遇した時」ではないでしょうか。つまり「恐怖心」や「警戒心」を抱いている時に見せる場面がほとんどです。

恐怖心

腰が後ろに引けているということは、体重が後ろ足にかかっているということです。つまり恐怖の対象からいつでも逃げ出せる体勢を取るために、腰を引いているのです。まさに人間の「へっぴり腰」や「逃げ腰」などと同じような状態ですね。犬の腰が引けている状態は、ほとんどがその「恐怖心」からきているのでした。

また、腰が引けているのと同時に「尻尾がお腹の方向に丸まっている」「両耳をぴったりと寝かせている」といった動作が見られる場合、それは強い恐怖心と共に「負けました」といった「服従心」を表しています。飼い主に強く叱られた場合や、見知らぬ、かつ自分よりも強そうな相手と対峙した際に見られる行動です。

なお、こういった動作や表情を見せている犬へ突然近づくと、犬は恐怖心から噛みつく場合があります。どんなに触れ合いたいと思っても、決して真正面から不用意に近づいたり、突然頭を撫でるといった行動はしないようにしましょう。犬の恐怖心を更に煽ることになってしまいます。

警戒心

恐怖心と似た感情として「警戒心」があります。例えばおもちゃでも食べ物でも「生まれてから一度も見たことがない物体」を見た時、それが危険なものなのか、安全なものなのか犬にはわかりません。

例えばきゅうりを見てへっぴり腰になる動画や、鏡に映る自分の姿を見てへっぴり腰になっている動画を見たことはありませんか。これらはまさに「犬にとっての未知の物体」と対峙したことで、警戒心を抱いているのです。

また、警戒心を抱いているときは、「両耳をやや横に倒している」「両耳がピンと立っている」といった変化も見られます。

人間からしたら恐怖の対象でも警戒の対象でもないものだとしても、犬にとってはさまざまなものが恐怖や驚きの対象となるのです。面白半分で驚かせるのはやめましょうね。

病気の可能性も?

ここまでに紹介したような場面以外で、犬の腰が引けているといった場合、犬が腰に違和感を持っていたり、痛みを感じていたりする可能性があります。

例えばダックスフンド、チワワ、ヨークシャーテリア、シーズー、ビーグル、フレンチブルドッグ、コーギーといった犬種は「軟骨異栄養性犬種」とも呼ばれ、軟骨異栄養症という遺伝疾患を持っている場合があります。これらの犬種は成長段階で椎間板がうまく発育せずに、背骨に負担がかかることで「椎間板ヘルニア」になりやすいといわれています。

重症化すると強い痛みを伴うだけではなく、歩行困難や排泄困難になる恐れがあります。普段から愛犬の歩き方や歩く姿勢をよく観察し、いつもと違う動きを見せていたり、頻繁に症状が起こっているようであれば、早めに受診をするようにしましょう。

飼い主さんであれば愛犬の腰が引けている状態が恐怖や警戒によるものなのか、痛みによるものなのかといった違いは一目瞭然だとは思いますが、腰は犬の動作をつかさどる大事な部分です。しっかりとその動きの意味を意識しておくようにしたいですね。

まとめ

「犬の腰が引けている」状態は、恐怖や警戒を表している正に典型的な姿勢だといえます。人間からしたらなんてないものだとしても、犬からしたら恐怖や警戒に代わります。犬の感情を読み取る努力をして、不用意に恐怖心や警戒心を与えないようにしたいものですね。