毎日の食事づくりは、なるべく家族の好きなメニューで喜んでもらいたいもの。かといって、毎日毎食、家族にリクエストを出してもらうのは現実的ではありません。冷蔵庫の中の食材をうまく使いきることを考えながら、なおかつ栄養バランスと家族の好みも加味してメニューを決めるのは至難の業です。台所に立つ前に、献立を考えるのでヘトヘトに疲れてしまう、という人も多いのではないでしょうか。

必要なものはふせんだけ!シンプルな工夫で献立の悩みは解消できます

そんななか、「献立づくりは、あらかじめ“ルール”をつくってしまえば、ストレスフリーに決めることができるのです」とアドバイスするのは、“予約の取れない料理教室”を主宰する料理家の高木ゑみさん。『やる気の続く台所習慣40』など、台所家事にまつわる著書も多数執筆しています。ESSEは、そんな高木さんにインタビュー。「もう、献立が全然思いつかない!」という日のお助けワザを教えてもらいました。――毎日、献立を考えるのは本当に大変です。家族に「今日、なにがいい?」と聞いても「なんでもいい」と返ってきたりして…。「少しは毎日考える身にもなってよ!」と悲しくなってしまいます。

「しかも、毎日とくに『おいしい』とも言われなかったりすると、あまり好みじゃないのかな?と不安になりますし、モチベーションも下がってしまいますよね。でも、その不安を解消する、とても簡単な方法があるんです! なんでもいいので、ご家庭にある定番料理のレシピ本、そして色違いのふせんを用意してください」。――いわゆる「家庭料理の基本」のようなレシピ本ですか?

「はい。ベーシックなものがおすすめです。そして、みんなが家でくつろいでいる休日などに、家族それぞれに色違いのふせんを渡して、『レシピ本のおいしそうだな、食べたいなと思うページにふせんをはってね』とお願いしてみてください。いざ『献立が思いつかない!』というときには、レシピ本の、ふせんを貼ってもらったページから選ぶ、という“ルール”を決めてしまうのです」。


――「家族に選んでもらう」というのがポイントなんですね。

「そうなんです。『家族に本当に喜んでもらえているのかな?』というモヤモヤがないだけで、ストレスフリーに料理の準備ができますよ。お父さんはピンク、お兄ちゃんは黄色…というように色分けしておくことで、『今日、夜ご飯を食べるのはお兄ちゃんだけだから、黄色のふせんのなかから選ぼう』といったセレクトも瞬時にできちゃいます」。――とにかく時間がない!というときに対応できるコツはありますか?

「はってもらったふせんに『炒』『蒸』『煮』『揚』のように、調理法を記入しておくといいですね。時間がないときには、ふせんの『炒』からパッと選べば、調理時間がかからなくて済みます。また、昨日は揚げ物だったから、今日はさっぱりしたものが食べたいな、というときには『蒸』から選ぼう、といった対応もできるようになりますよ」。――もし「定番料理にも少し飽きたな」と思ったら、どうすればいいでしょうか。

「たとえば、いつもの和食メニューの味つけをアレンジする方法は、手軽でおすすめです。肉じゃがなら、炒め油をオリーブオイルやゴマ油に変化させて、料理酒を白ワインや紹興酒にし、和風だしをコンソメや中華だしに変えれば、それだけで和から洋風・中華風に。また、いつも肉野菜炒めばかりになってしまうというなら、仕上げに水溶き片栗粉を加えてあんかけにしてみたり。新しいレシピを覚えなくても、ちょっとしたアレンジで簡単にバリエーションを増やすことができますよ」。

レシピ本にふせんをはっておき、その中から選ぶというシンプルなルール。確かにこれなら、献立に頭を悩ませることがぐんと減りそうです。家族の好み&調理法をパッと参照できるようにしておくこと、そしてときには味つけのアレンジを変えてみることで、毎日のプチストレスから解放されたいものですね。

●教えてくれた人
【高木ゑみさん】
料理家、おもてなしプランナー。慶應義塾大学、エコール辻東京イタリア・フランスマスターカレッジを卒業。中目黒で料理教室を主宰。あらゆる台所仕事の効率をアップし、自分時間を増やすコツを説いた著書『やる気の続く台所習慣40』(扶桑社刊)が発売中

<取材・文/ESSE編集部>