3日に日本代表に合流した香川。所属のドルトムントでは芸術的なループ弾を決めるなど上り調子だ。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 全24人が集結した日本代表合宿の3日目。練習前のミーティングで、ハリルホジッチ監督は選手たちにこう語りかけた。
「私の要求はもっと高くなる。目指すべきはワールドカップで勝つことだ。出場は決まったけど、(親善試合の)この2試合に勝つことは変わらない」

 
 ワールドカップに出るための選手起用、采配は終わった。これからの8か月は「ワールドカップで勝つため」の戦力を見極める準備期間となる。激しい身ぶり手ぶりを交えながら、指揮官は約8分間、目前に迫った国際親善試合ニュージーランド戦(6日)、ハイチ戦(10日)の位置づけを選手たちに説いた。
 
 そんなハリルホジッチ監督の訓示を、香川真司は自身の現状を踏まえた上でこう捉えた。「ワールドカップに向けて一人ひとりが監督の頭を悩ませられるようにという意識を持てれば。若い選手にとってはもちろん、僕自身にとってもチャンスの2試合だと思っている」
 
 以前のような絶対的な存在ではなくなった。最終予選の10試合で先発は5試合。得点は1点のみに終わった。代表での最後のフル出場は、約1年前の10月11日まで遡る。6大会連続6度目のワールドカップ出場を決めたオーストラリア戦(8月31日)でも出番なし。香川を押しのける形で、インサイドハーフで先発した井手口陽介のスーパーゴールも、歓喜のワールドカップ出場決定の瞬間も、ベンチから見届けた。
 
 左肩脱臼の影響を考慮されたとの見方もあったが、香川は「(実力で)出られなかっただけ。そこでチームは結果を残した。自分としても危機感はある」と語る。背番号10の座も、決して安泰ではない。
 
 コンディション不良や他選手の起用を優先するという理由があったにせよ、今回の合宿では長谷部誠、本田圭佑、岡崎慎司といったこれまで代表を引っ張ってきた面々が選外となった。次は自分が、という危機感も持ち合わせている。
 
「どれだけ攻撃の部分でチームを引っ張っていけるか。よりボールに絡めれば、より違う良さがこのチームで出せる。僕が僕なりのものを出せればさらにチームはうまくいくと思っている。それをしっかり次の試合でやれればいいなと思う」
 
 香川にとってこの2連戦は、指揮官に自身の存在価値を示す重要な180分間となる。