「よし、セミリタイアしよう!」……ちょっと待って!

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20代半ばの友人は、会社を辞めて自宅で絵を描き始めた。30代手前にして夫婦ともども東京を飛び出し、南伊豆で自給自足の生活を送る友人も。筆者の周囲には、若くして会社組織を退職して“第二の人生”を送る「セミリタイア(早期リタイア)」という生き方が自然に存在する。多くの企業で終身雇用制度が崩れたいま、「この会社に骨を埋めるのだ」という気概をもつのは難しく、セミリタイアはもはや人生の選択肢の一つとなった。「教えて!goo」を見ても「セミリタイアの金額」といった相談をはじめ、関心の高さがうかがえる。専門家のアドバイスを聞き、素晴らしいセミリタイア・ライフを築いていこう。

■憧れのセミリタイア……かかる費用はいくらくらい?

悠々自適なセミリタイア・ライフをお考えのみなさま、お金のこと、真剣に考えていますか? ここは資本主義国家、日本。出家でもして山にこもらなければ、お金の心配から逃れることなど不可能といえよう。

ビジネスコーチや転職コンサルタントなど、多岐に活躍するキャリアカウンセラー、佐藤創紀さんは「将来を見据えたライフプランを立てておくことが重要」と指摘する。将来設計に甘さがあると、「思いもかけない失敗や挫折が付きまとってくる」とも。せっかく手にするマイペースな人生、失敗なんてしたくない! 将来を見据えたライフプランの立て方を教えてください。

「大まかでもいいので、人生終結までの長期プランから作ってみましょう」と佐藤さん。そこから4〜5年単位の中期プラン、この先1年の短期実行プランを具体的に立てていく。中期プラン以降では、金銭面に関して重点的に。確保した資産をいかに将来まで維持できるか、そのための収入源をどこに置くかをきちんと考えておくといいという。若年でのリタイアでは年金のように当てにできる公的補助はないので、「最低限、今までの年収程度は資金準備をしておきたい」(佐藤さん)。資産や収入源を早期にしっかり自己確保すること。その上で「はじめて特技や趣味を活かしたライフプランが可能になる」と佐藤さんは忠告する。

予測不可能なのが人生だ。転んだ時に思い知る、お金って、あると意外と心強い。

■「よし、セミリタイアしよう!」……ちょっと待って!

プランも立てた、資金も調達できた……「よし、セミリタイアしよう!」
ちょっと待ってください。失敗の多くは「自分だけが暴走し、周囲の協力を得られなくなることから生じる」と佐藤さんは指摘する。夢に向かって意気込むのは勝手だが、家族やパートナーがいるのなら、やはり相手の理解は必須項目。何事にも言えることだが、相手に不安を与えることは人間関係に亀裂を生じさせる一番のきっかけだ。

もしもパートナーに突然セミリタイアを宣告されたら……互いの年齢や子育ての環境、今後の月収や老後の暮らしなどなど不安が浮かんでは消えてゆく。カネの切れ目は縁の切れ目、などと言いたくはないが、経済的不安は、百年の恋だって冷めかねない。

佐藤さんは「自分だけのプランにせず、オープンにしていくこと」と念を押す。またそんな夢みたいなこと言って……とパートナーにため息をつかれる前に、ならばと、こちらから現実的に切り出していこうではないか。計画段階からプランを共有することで、相手も安心感を得られるだけでなく、信頼関係も深まっていくはずである。思いもよらないアイデアだって生まれてくるかもしれない。様々な不安を2人でクリアしていってこそ、快適なセミリタイア・ライフへたどり着けるのだ。

■周囲を巻き込み、よりよい「セミリタイア」ライフを!

「本当に大丈夫なの?」「お金はどうするの?」。思いやりからくる周囲の助言がストレスになることもある。特に子供やパートナーへの影響を心配してくる人は多いだろう。

それを回避するためにも「親しい友人、親戚といった家族以外の近い関係者にもそれなりの根回しが必要。プランの概要程度は話し、理解しておいてもらった方がよい」(佐藤さん)とのこと。指摘された懸念をクリアすることで、一転して協力してくれる可能性だってある。両親への報告、なんて修羅場も周囲がフォローアップしてくれるだろう。

多くの協力者をつくること。それが成功の秘訣かもしれない。思い起こせば筆者の友人たちも周囲をうまく巻き込んでセミリタイア・ライフを送り、筆者も含めて巻き込まれた周囲も非常にたのしい時間を共有している。「人間は、自分一人だけでは生きてはいけない動物です」と佐藤さんは締めくくる。

どの世代の勤め人にとっても、夢のある将来の選択肢となったセミリタイア。何の準備もなく退職するのではなく、周囲の協力を得られるプランをしっかりと立ててから踏み出そう。誰もが笑顔で暮らしていける、よりよいセミリタイア・ライフを!

●専門家プロフィール:佐藤創紀
コーチ倶楽部代表。プロコーチ、経営コンサルタント及び心理研究家として、20年以上の経歴を持ち、企業及び個人をクライアントとして、講演、セミナー、電話相談及び執筆と多方面で活躍中である。多くの人間関係諸問題・課題を指南し解決してきている。

(オダギリ)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)