共通の話題があった時代

写真拡大

共通の話題というものがあります。スポーツの話、グルメの話などはお互いの興味が似通っていなければ話せません。一方で、天気の話は誰でも話せますが共通の話題とはいい難いでしょう。

メディアと共通の話題

共通の話題としてかつて大きなポジションを占めていたのはメディアでした。誰もが観ているテレビ番組があり、そこには誰もが知っているタレントが出ており、誰もが耳にしたことがある音楽が流れていた。ところが現在はそうした時代ではなくなりつつあります。それぞれの人が興味のおもむくままに、好きなものを享受している時代だといえるでしょう。

共通項があった時代

片上平二郎による『「ポピュラーカルチャー論」講義:時代意識の社会学』 (晃洋書房)は、そんな共通の話題があった時代、主として90年代を、ポピュラーカルチャーで読み解く本です。ここで語られているテーマはさまざまです。ウィンドウズ95の発売を受けて家庭用パソコンが普及し、広まってゆくインターネット(当時はスマートフォンなど携帯端末からインターネットに常時接続が可能となる世界は想像の外側にありました)、100万枚を超えるミリオンセラーが次々と発売されていたJポップ(そこには小室哲哉という名物プロデューサーの存在がいました)、視聴率30%越えは当たり前だったトレンディドラマ(ビデオで録画できなければ、見る手段は人にテープを借りるか、ソフト化されるのを待つしかありませんでした)、最盛期には600万部を超える部数をほこった「少年ジャンプ」(名物作品としては『ドラゴンボール』『幽遊白書』『スラムダンク』などがあげられます)、キャラクターグッズ(キティちゃんに代表されるサンリオが圧倒的に有名でしょう)、オカルト(心霊番組がゴールデンに当たり前に放送されていた時代です)などです。懐かしのトピックからあのころの社会をふりかえってみてはいかがでしょうか。