民泊に続く注目副業、「民旅」! 現役看護師主催の吉原「遊郭・遊女の歴史めぐり」に行ってみた

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 旅行者向けに自宅を民泊用に貸し出す「Airbnb」や、自家用車をタクシーのように手配する「Uber」。そんなシェアリングエコノミーのひとつとして、旅行代理店ではなく、旅先の地元住民たちが独自のツアープランを企画、提案する「民旅」が近年、注目されている。

 今回、民泊サイト「TABICA」のホストとして、実際に街歩き体験を企画する佐藤淳子さんのツアーに密着。民旅のホストってどんな仕事なの? どのくらい儲かるのか?など、気になるその実態について話を聞いてみた。

 9月23日。記者が同行したのは、佐藤さんが企画する【遊郭・遊女の歴史めぐり。知れば知るほど奥深い「吉原の今昔散策」】というツアー。

 平日は看護師として勤務している佐藤さん。現役看護師と吉原という組み合わせはかなり意外な気もするが、実は佐藤さん「もともと古い街並みを見て歩くことが好き」という歴史マニア。民旅のホストもその延長線上で始めたという。

「平日は看護師として勤務しているので、土日祝日を使って何かできないかと思っていたところ、たまたまフェイスブックでTABICAの広告を見つけました。古跡探訪のツアーガイドのボランティアをやっていたこともあって、自分で好きなルートを選んでツアーをやってみたいと思い、今年の3月から始めました」

 東京・荒川区JR南千住駅からスタートする、今回の「吉原街歩き」のルートは以下の通り。

■10:00 JR南千住駅改札口 集合
・駅前の松尾芭蕉の銅像
・延命寺
・小塚原 豊国山回向院
・小塚原刑場跡
◎隅田川貨物
◎泪橋
◎いろは商店街
◎吉原大門
◎吉原神社と吉原弁天
・鷲神社
◎浄閑寺
■13:00 日比谷線三ノ輪駅 解散
(◎は体験主要スポット)

 途中で何度か休憩をはさみつつ、吉原大門や泪橋、浄閑寺などの観光スポット、およそ3kmを3時間かけてじっくり散策するというコースだ。

 佐藤さん曰く、歴史ツアー成功の鍵は「事前にその土地の歴史がわかる資料を準備することが大切」だとか。

「もともと吉原や山谷の歴史に興味があったので、勉強会に参加したり、神保町の古書店でよく文献を探していました。ツアーを企画するにあたっては、ゲストの方々が当時の吉原の街並みなどをイメージしやすいよう、自分で買える範囲内で文献を購入したり、ネットで資料を探したりして用意するようにしています」

 全国各地の土地の歴史や、人々の暮らしの痕跡を探るテレビ番組『ブラタモリ』(NHK)や、訪日外国人観光客の増加などの影響もあり、昨今、歴史ツアーの需要は高い。では、ホストである佐藤さんの収入はどれくらいなのか?

「ツアーは大人も子供もお一人様2500円の料金で、1回のツアーにつき私の収入は1万円弱。1か月で平均3、4回ツアーをした場合、収入は3万〜4万円になりますかね」

 決して高額ではないが、佐藤さんは「私としては、お客様とのコミュニケーションが何よりも楽しく、お金に変えられない価値があると思っています」と述べる。

 確かに名城探訪や農業体験、アート探訪など民旅の内容はホストによってさまざま。ツアーの目的も佐藤さんのように「お客様や地元住民とのコミュニケーションに重きを置く」など多種多様なのだ。

 もちろん、ホストのなかには1か月10万円以上を稼ぐ者もいる。まさに本人の目的とやる気次第の「民旅」ビジネス。シェアリングエコノミーが今度発展していくなか、サイドビジネスとしてもまだまだ今後、成長の余地があるといえよう。

<取材・文/井野祐真>