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 2017年1月から医療費控除の新制度が始まりました。

「セルフメディケーション税制」と呼ばれるもので、年初にはニュースになりました。市販薬を購入した場合、1年間の購入額が1万2000円を超えた部分について税控除の対象となるものです。

 病院嫌いの人はもとより、病院に通っている人も、この制度を知っておくと税金が戻ってくるかもしれません。

◆要件は検診を受けていること

 従来の医療費控除の制度は、1年間に医療費の支払額の合計が10万円超になった場合、その超過分が控除の対象になります。10万円は、かなりの金額です。それに比べて年間1万2000円超の市販薬を購入した場合に対象になるこの制度は、多くの人が使えそうです。ここで、注意すべき点が2つあります。

1.対象となる人の要件があること
 健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人(厚生労働省)。具体的には、特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診を受けている人です。確定申告の際に受診証明書が必要になります。

2.対象となる医薬品が決まっていること
 ドラッグストアに並ぶすべての医薬品が対象ではありません。「スイッチOTC医薬品」と呼ばれるものが対象です。例として、かぜ薬・胃腸薬・鼻炎用内服薬・水虫たむし用薬・肩こり腰痛筋肉痛の貼付薬があります。該当商品のパッケージにマークがついていますが、どのような薬が該当しているかを調べておくと良いと思います。

 厚生労働省の指定しているセルフメディケーション税制対象の品目一覧は下記のサイトで見ることが出来ます。(平成29年8月18日時点/参照:厚労省)

 ドラッグストアでは、日用品や化粧品は勿論、最近は食料品も扱っています。女性は行く機会が多く、“ちょっと頭が痛いので頭痛薬を買う”身近な存在です。ママ達は、子どもは病院に連れていきますが、自分は市販薬で済ませることも多いはずです。仕事中は病院に行く時間がとれなくて、買い置きの常備薬で凌ぐ場合もあります。

 気がつかないですが、意外と市販薬を買っている機会は多いと思います。市販薬の金額は税込みで、実際に支払ったレシート記載の金額で計算します。もし「10%割引デー」なら割引後の金額です。レシートは捨てずに保管しておいてください。医療費控除が目的ではありませんが、健康診断を受けることも忘れないでください。

◆有利なほうを選択して申告

 この新制度は既存の制度と併用は出来ませんので、どちらかを選択します。

1)対象の市販薬の購入合計額-1万2千円 但し上限額8万8千円
2)医療費合計額(対象の市販薬も含む)-10万円

1と2を比べ、多い金額を選択します。医療費が10万円を超えても、新制度を選んだほうが有利な場合はこちらを選びます。

 どちらにも共通のことですが、家族(生計を一にする配偶者その他親族)で合算出来ますので、所得の多い人が確定申告すると有効です。税務署への確定申告は来年ですが、レシートや領収書が溜まっていると面倒になってしまい、結局申告を断念することになりがちです。

 今のうちから、累計がどのくらいになっているのか把握してみては如何でしょう。課税所得500万円の人が市販薬3万円を購入した場合、合計5400円(所得税3600円 住民税1800円)の減税となります。数字を知ると、整理する気持ちになります。「ドラックストアのレシートは1年間保管」を意識してください。

<文/宮崎真紀子>
みやざきまきこ●ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士。

<記事提供:ファイナンシャルフィールド>