今季の関東リーグを制したVONDS市原FC。地域CLでの戦いにも注目が集まる。写真:宇都宮徹壱(Ichihara. 2017)

写真拡大

 9月が終わり、早いもので今年も残り3か月となった。Jリーグがこれから佳境を迎えるなか、各地域リーグは9地域のうち8地域ですでにチャンピオンが決定。最後まで予断を許さぬ展開が続いていた東海リーグも、9月30日のラストゲームを1-0で勝利した鈴鹿アンリミテッドFCが、FC刈谷を抜いて優勝を決めた。鈴鹿は前節の刈谷との直接対決に1-2と敗れ、ついに小澤宏一監督を解任。今年40歳の藏川洋平が選手兼任監督となるスクランブル態勢で臨んだが、大博打の結果は吉と出たようだ。
 
 これで今年の全国地域チャンピオンズリーグ(地域CL)出場チーム12のうち、全国社会人選手権(全社)枠を除く9チームが決定したことになる。東海以外のチャンピオンは、以下のとおり。十勝FC(北海道)、コバルトーレ女川(東北)、VONDS市原FC(関東)、サウルコス福井(北信越)、アミティエSC京都(関西)、三菱自動車水島FC(中国)、高知ユナイテッドSC(四国)、テゲバジャーロ宮崎(九州)。この中で目を引くのが、3年ぶりに北海道を制した十勝FC(今年、十勝フェアスアイから改称)。そして激戦区の関東リーグを、1試合残して優勝した市原である。
 
 昨シーズン、市原は東京23FCとの優勝争いに敗れ、関東2位でレギュラーシーズンを終了。地域CLの出場権を勝ち取るべく、愛媛で開催された全社に出場した。ところが2回戦、福島県2部(当時)のいわきFCに延長戦の末に敗れ、JFL昇格のチャレンジは潰えてしまった。今季は元川崎のレナチーニョを獲得するなど積極的な補強を断行。その甲斐もあって、ジョイフル本田つくばFC、東京ユナイテッドFC、そして東京23といった並み居るライバルたちを抑えて、関東リーグ優勝を果たした。前身の古河電工市原営業所サッカー部が関東を制したのは81年なので、実に36年ぶりの快挙である。
 
 先週、関東リーグ最終節を観戦するべく、市原のホームグラウンドであるVONDSグリーンパークを訪れた。相手は、昨シーズンの覇者である東京23。すでに優勝を決めている市原は、お目当てのレナチーニョがサスペンドで不在だったことに加え、どこか気持ちの緩みのようなものも感じられた。結果、後半に入ってから立て続けに失点を食らい、0-4の大差で敗れてしまう。ホーム最終戦での勝利を望んでいた市原サポーターにとっては、いささか肩透かしの結果に終わってしまった。
 
 一方、この試合で勝利した東京23は、昨シーズンの市原と立場が逆転。今年の全社で決勝に進めば、全社枠で地域CLに進出することができる。こうした「全社懸け」のチームは東京23の他にも、バンディオンセ加古川、アルテリーヴォ和歌山(いずれも関西)、アルティスタ東御(北信越)、松江シティFC(中国)など、枚挙にいとまがない。また、いわきFC(福島県1部)や沖縄SV(沖縄県1部)といった、県リーグから一気に全国リーグに進出する可能性を秘めたクラブの存在も気になるところだ。5日間連続で行なわれる究極のトーナメント、全社。今年は10月14日より福井県で開催される。
 
宇都宮徹壱/うつのみや・てついち 1966年、東京都生まれ。97年より国内外で「文化としてのフットボール」をカメラで切り取る活動を展開中。近著に『フットボール百景』(東邦出版)。自称、マスコット評論家。公式ウェブマガジン『宇都宮徹壱ウェブマガジン』。http://www.targma.jp/tetsumaga/