日本代表“ジョホールバルの奇跡”も選出 米メディアが選ぶ「心に残るW杯5大プレーオフ」

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日本対イラン戦は「試合前からマインド・ゲーム」 FWアジジが車いすで現れ…

 10月のインターナショナルマッチウィークは、来年6月のロシア・ワールドカップに向けて欧州や南米では予選ラスト2試合、アジアでは5位決定プレーオフ開催と佳境に入っているが、米スポーツ専門テレビ局「ESPN」では「心に残るW杯5大プレーオフ」を選出。

 その中には、日本代表が初めてワールドカップ出場を決めた1997年イラン戦の“ジョホールバルの奇跡”も選ばれた。

 当時の日本代表は最終予選の初戦でウズベキスタンに大勝したものの、その後は不振に陥り加茂周監督を解任し、岡田武史コーチを監督の昇格させる荒療治を予選中に行った。最終的に2位でグループの戦いを終え、アジアプレーオフ第3代表決定戦で激突したのがイランだった。

 記事では「試合の前から“マインド・ゲーム”があった。イランはアジア最優秀選手のFWコダダド・アジジが、前日のトレーニングで怪我をしたとして車いすに乗って現れた。日本人を騙そうとしたが誰もそれを信じなかった」という試合前のエピソードも回顧している。

 そして、「試合はスリリングな点の取り合いで2-2の延長戦へ進んだ。そこで、中田英寿のシュートが弾かれたところで岡野雅行が押し込んで日本はフランスへの切符を獲得。そしてイランをオーストラリアとの(大陸間)プレーオフへ送り込んだ」と振り返った。

鈴木啓太の引退試合で岡野と岡田氏が再現寸劇

 日本代表がイランと激闘を繰り広げ、延長戦で岡野がチャンスを逃し続けながらも、最後にゴールを決めた展開などは、今でもサッカーファンの心に強く焼き付いている。ゴールを決めてベンチに向かって走っていく岡野と両手を突き上げてピッチに入っていく岡田監督の姿も、当時の映像が流れるたびに映し出されるものだ。

 7月に元浦和レッズのMF鈴木啓太氏の引退試合が行われた際、そこに出場した岡野とベンチに入っていた岡田氏がそれを再現する寸劇を行うなど、日本サッカー界の輝かしい瞬間として記憶されている。

 今回のアジアプレーオフで、オーストラリアは日本も入ったグループでアジア最終予選3位となり、シリアとのプレーオフを行う。オーストラリアはアジア連盟に加入する前はオセアニア連盟にいたため、ワールドカップの出場枠は0.5枠だった。そのため、これまではプレーオフの常連にならざるを得なかった背景もある。

 実際、同局がピックアップした日本とイランの一戦以外の4試合のうち、3試合がオーストラリア絡みのものだった。今回、オーストラリアがシリアに勝利すれば、アジア連盟加入後では初の大陸間プレーオフ行きということになる。

豪州とシリア戦の勝者が激突するのは…

 今回の予選では、オーストラリアとシリアの勝者であるアジア5位は、北中米カリブ海地区の4位と戦いワールドカップの切符を争う。現時点では、パナマ、アメリカ、ホンジュラスのいずれかと対戦することが濃厚だが、そこでもまた歴史に残る名勝負が繰り広げられるのだろうか。

 同局が選出したW杯プレーオフ5試合は以下の通り。

北朝鮮対オーストラリア(1965年)
日本対イラン(1997年)
オーストラリア対イラン(1997年)
アイルランド対イラン(2001年)
オーストラリア対ウルグアイ(2005年)

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images