未来は現在の自分の頑張りや考え方によって、いくらでも変えられます(写真:VTT Studio / PIXTA)

→安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

こんにちは。私は地元(愛媛県)普通科の高校を卒業した後、調理の専門学校に進みました。その後、新卒で割烹店に就職したのですが、激務に体がついていかず、2カ月ほどで辞めました。
それからは岡山県(上記の就職先が岡山だったので)で携帯ショップ受付の派遣社員をしたり、地元の愛媛県でアルバイトでスーパーのレジ打ちをしたりして生活をしていました。
去年の8月頃にこのままでは一人で生活できないと思い、都内で就職先を探しているときに、生命保険の外交員さんに誘われ、去年の10月から今年の6月まで(10月は一般課程試験の勉強期間ということで各種社会保険には未加入です)正社員として勤務をしていました。
退職理由は7月からいただくお給料ではとても生活できない(簡潔に言うと、給与に不満があった)ことです。退社日は6月末ということで、上司にも納得いただいています。
特にこれといった学歴や実績もない私です。残業も同年代の方々に比べたらあまりしていないと思います(携帯ショップで働いていたときは毎日のようにありましたが、雇用期間は半年です)。
けれど私は、仕事をすることで経済的に自立したいですし、キャリアを積みたいです。
これからハローワークや転職サイトで転職先を探すのですが、社会人の先輩として気をつけたほうがいいことや、今後の人生の意識をどのように変えたらいいのかなど、ぜひ助言をお願いいたします。
もうすぐ無職 三木

一言で結論から申し上げますと、「現在の延長線上で未来を考えてはいけない」というスタンスが重要だということです。

これは何もキャリアに限った話ではありません。人生におけるほかのイベントや事項、はたまた人生そのものについても言えます。

自分の理想とする姿の実現を長い目で見据える


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言い換えますと、「自分の理想とする姿の実現を長い目で見据える」、とも言えます。

三木さんは、現在は職探しをされている一方で、理想とする姿はキャリアを積んでいくことで仕事を通じて経済的に自立したい、という姿に定めているようです。

また、頂戴した文章を拝見するに、少なくとも現時点においては、給与水準が三木さんが仕事を選ぶ際に非常に大きな比重を占めているように見受けられます。

人生において自分が理想とする姿や仕事に何を求めるかは個々人が設定すればよい話ですから、ここではその妥当性や背景は問いませんが、重要なことはその理想とする姿なりをいつの時点で達成するのかという時間軸をきちんと設定できるか否かです。

三木さんの文章を拝見するに、三木さんが前職をお辞めになられた理由はストレートにいうと「給料が低いから」ということだと思います。

そしてそれは「何と比較して低いか」ということですが、おそらく三木さんが理想とする生活と比較して低い、という判断なのでしょう。

しかしながら冷静に考えて、未経験やスキルのない人に対して十分な報酬を「最初から」支払うような会社や職業は存在しないでしょう。

したがって、給与水準だけにフォーカスを当てると、三木さんとしても今後仕事を選ぶ際に最初から給与が高い、という基準で選ぶよりは、今後自分が頑張ることによって「給与が将来上がる可能性の高い職業」を選ばれるといいのでしょう。

目先の給与が若干高くとも、それ自体は三木さんが今後仕事をされていく長い時間軸で見た際の生涯給与からすると微々たる違いにすぎません。大切なのは、現時点において満足できる状態を「一時的に」つくり出すことではなく、将来の長い期間にわたりその状態を「維持する」ことです。

ですから、時間軸の設定を間違えてはいけないのです。時間軸の設定を間違えて、目先のちょっとした給与の違いだけで職業を選んでしまうとロクなことになりません。

それよりも、自分が本当に熱中できる仕事を探して、その熱中を通じて努力した結果としてリターン(将来の給与)を上げていく画を描くほうが、現実的です。

目先の給与が低いのは当たり前です。なぜならば、三木さんはこれまでのキャリアの中で「売り」になるような経験やスキルを積んできたわけではないと思われるからです。

あくまでも給与はキャリア構築の結果としてついてくるものであり、経験やスキルに対して支払われる水準が決まっているものです。

だからといって、現時点であきらめる必要はまったくありません。

繰り返しですが、キャリアの構築とその結果としての給与は三木さんの今後の頑張りによって天と地ほどの差が出るからです。

目先の給与水準ではなく、将来の自分を考える

私自身も大学を卒業後小さなベンチャー企業に勤務していたこともあり、会社がIPO(株式公開)を果たし26歳で役員の肩書を得るまでは、一般的な平均給与はおろか同年齢の平均水準よりも大分低い年収だったものです。

大手企業に勤務する友人たちが「ボーナス1カ月分しか出なかった」と言っている傍らで、私はボーナスなんぞありませんでしたし月収も彼らよりだいぶ低いものでした。

ただ、それでも自分自身は仕事を通じて誰よりもスキルや経験の面で成長している実感はありましたし、目先の給与水準なんぞに目をくれずに将来の投資期間と割り切っていましたから、苦でも何でもありませんでした。

重要なのは、現在の水準ではなく将来なのだということを理解していたからです。

先行投資なくしてリターンなし。これは何も金銭的な投資だけに言えることではありません。キャリアも同様です。

ですから、大事なことは、ご自身の時間と頭脳と体力という大きな先行投資を決断できる場所を探すということです。

未来は現在の自分の頑張りや考え方によって、いくらでも変えられます。今日の自分が決断することで、将来の自分がどれだけ理想とする姿に近づけるかが決まるわけです。

三木さんが、目先の小さな違いに目をくれず、長期的視点に立って仕事選びをされ、結果として理想とする姿に少しでも近づけることを応援しております。