各航空会社には定時運行のプレッシャーがかけられていることを、お忘れなく!(撮影:尾形文繁)

「学歴・頭のIQ」で、「仕事能力」は判断できない。仕事ができるかどうかは、「仕事のIQ」にかかっている。
『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(ミセス・パンプキンとの共著)が合わせて25万部突破の大ベストセラーになった「グローバルエリート」ことムーギー・キム氏。
彼が2年半の歳月をかけて「仕事のIQの高め方」について完全に書き下ろした最新刊『最強の働き方――世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ77の教訓』は、早くも20万部を突破、翔泳社主催の「ビジネス書大賞 2017」の大賞を受賞し、世界6カ国で翻訳も決定するなど、世界中で注目を集めている。
本連載では、ムーギー氏が「世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ教訓」の数々、および「日常生活にあらわれる一流・二流の差」を、「下から目線」で謙虚に紹介していく。

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「二流」は空港や機内のルールを守れない


「ファイナルコール、トゥー、ミスター・ムーギー・キム、ファイナルコール……」「やっかましぃな〜〜〜、俺を置いて飛べるもんなら飛んでみんかい‼」

と威勢よく啖呵(たんか)を切ったはいいものの、信じられないほどグズグズしている間に空港で飛行機に置いてきぼりにされた二流の人間は、私だけではあるまい。

世の中には、飛行機に乗ろうとした途端、または乗った途端、「二流の暗闇」に墜落してしまう人がいる。

時間ギリギリに空港カウンターに到着するのは当然のことながら、到着するターミナルを間違って、右往左往する二流の搭乗者たち。

ろくに飛行機に乗れない人たちは、そこから免税店で買い物に明け暮れ、「当分、和食とは遠ざかるのだから、その前におすしでも」と悠々自適の空港ディナーを満喫するのだから、もはやかける言葉もあるまい。

これに対して「一流の人」は、飛行機に乗るときも一流だ。機内でウエルカムカクテルを提供されても、シャンパンに食らいつくでもなく悠然とお茶を頼み、仕事への臨戦態勢を確保する

やはり一流の人は、飛行機に乗っても一流なのである。

「頭のIQや学歴の高さ」と「飛行機に立派に乗れるかどうか」は関係ない。それでは、飛行機に乗った途端にバレてしまう、機体の故障よりも深刻な「人格的欠陥」「人間的故障」とはどのようなものなのか? 早速、紹介しよう。

まず、飛行機に乗る前にバレているのが、搭乗ルールを把握できない「そそっかしさ」である。

機内でも携帯電話のマナーが守れない

【1】手荷物検査で「PETボトルを没収」されて狼狽

「水分は100ミリリットル以上持ち込めない」というのに、シャンプー、リンス、整髪料、歯磨きチューブをすべて没収されて狼狽する、残念な搭乗者たち。

最も恥ずかしいのは、その手荷物検査の直前に「機内で飲もう」とワクワクしながらPETボトル500ミリリットルのお茶とウーロン茶を買ったのに、買った直後の手荷物検査ですべて没収されているのだから、その恥ずかしさたるや、もはや救いようがないのだ。

とんでもなく負けず嫌いの人に至っては、手荷物検査の場所で怒り出し、その場でお茶をすべてグビグビ飲み干してしまうありさまだ。

結果的に、搭乗前から1リットルものお茶を胃袋に流し込み、タプタプのおなかで搭乗するのだから、救いの言葉など、あるわけがないのである。

【2】離陸態勢でも「つねに携帯電話」

続いて離陸の瞬間にバレるのが、その往生際の悪さである。

「電波を出す電子機器は電源をお切りください」と再三お願いされているのに、何が忙しいのか知らないが、離陸の瞬間はおろか、離陸しても人目を盗んで携帯電話を必死でチェックしている、二流すぎる搭乗者たち。

さらに、電波を発するものは危険につながることを知っているからか、かばんや雑誌や毛布で隠しているが、携帯電話でしているのは「LINEのスタンプ」をひたすら送ることなのだから、もはやかける言葉はないだろう。

このような残念すぎる人たちは、「着陸するまで携帯電話を我慢する」という忍耐力も欠落しているといわれても仕方ないであろう。

飛行機の離着陸の瞬間に、「その人の往生際の悪さ」、そして「忍耐力のなさ」のすべてが、恥ずかしいまでにバレてしまうのだ。

さらに、飛行機でバレるのが、通路で立ち往生している段取りが悪い人たちだ。

通路を占領せず、手荷物の収納は段取りよく

【3】いつまでも「通路で立ち往生」している

後ろに人がつっかえているのに、だらだら荷物をキャビンに押し込む、二流の搭乗者たち。何が悲しくていつまでも通路で突っ立っているのだろうか。

悪質なケースでは、手荷物チェックが緩いのをいいことに、何個も巨大な手荷物を持ち込み、ほかの人のキャビンスペースまで占領してしまうのだから、開いた口がふさがらない。

もうひとつのパターンとしては、機内食を運んでいるワゴンの通過を待てずにトイレに向かおうとしたが、ワゴンの前で立ち往生してしまい、その場でもじもじしてしまうのだから、気の毒なかぎりである。

ともあれ、飛行機の通路で立ち往生した途端、その人の「もろもろの段取りの悪さ」がバレてしまうのだ。

【4】「大声で泣く子ども」に敏感に反応している

そして、飛行機でバレる「究極の人間的欠陥」が、その人の神経質っぷりである。子どもが泣くのは仕方ないのに、ひたすら「周囲に聞こえるように舌打ち」をする、残念な搭乗者たち

これ見よがしにフライトアテンダントさんに耳栓を頼むものの、「イヤープラグ」の発音が悪すぎて、結局、指を耳に突っ込む「謎のボディランゲージ」で耳栓を獲得するのだから、もはやかける言葉もなかろう。

最悪の場合、泣きわめく子どもをまったくあやさずに放置している親に対して「子ども、なんとかしてくれませんか?」と文句を言い出すのだから、もはや病的な神経質に達していると糾弾せざるをえない。

飛行機で泣きわめく子どもに過敏に反応している人に、ろくな人間はいないと、このグローバルエリートは断言する次第である。

そして、飛行機内で「最も深刻な二流の闇」に転落しやすいのが、機内食の食べっぷりではないだろうか。

機内での飲食は節度を守ること

【5】機内食を「食べ放題のごとく食べつくす」

一流の登場者は機内食も健康志向で、ヨーグルト少々とフルーツ、野菜を中心に食し、アルコールもほどほどに自制心を発揮する。

これに対し、残念な搭乗者ほど「食べ方も二流」である。

飛行機で「バイキングに来たのと勘違いしとるんと違うか」と後ろ指さされても仕方ないくらい、通常の機内食に加え、ビールやワインを何杯もお代わりして、大宴会を開く「食欲が旺盛すぎる搭乗者」たち。

さらに、インスタントヌードル、サンドイッチ、おにぎりと、機内食以外で食べられるものを根こそぎ食べつくすのだから、その「自制心なき強欲っぷり」がバレてしまうのも、致し方ないのである。

【6】「ビジネスクラス」「ファーストクラス」を猛アピールする

そして「二流のグローバルビジネスパーソンあるある」の極みが、会社の経費で乗せてもらったのがうれしくて仕方ない、「ビジネスクラスに乗ってます」アピールである。

わざとらしく羽田空港の「サクララウンジ」にチェックインしたことを大アピールしたかと思いきや、その1時間後には案の定、ビジネスクラスのフラットシートに寝そべりながら、シャンパンを撮影して「行ってきまーす」などとセコいアピールをSNSでせっせと続ける、残念な人たち。

なお、このような「ビジネスクラスアピール」をする人は、宿泊先の五つ星ホテルでも事細かにフェイスブックにアップして「リア充ライフ」を発信したつもりになっているのだから、もはや「あの人は三流の暗闇にコロコロ転落してしまっている」と言われても、仕方がないのである。

ここまで、飛行機に乗った途端バレる二流の人物の恥ずべき欠陥を、下から目線で謙虚に書きつづってきた、「グローバルエリート」の称号をほしいままにする私。

それでは、飛行機に乗った途端、「一流の人物」であることがわかるのは、どのような人だろうか? 一流の搭乗者は以下のような特徴を有している。

「一流の飛行機搭乗者」3つのポイント

【1】すごい勢いで「仕事をこなす」

これは私の元上司でアメリカ人投資家の話だが、席についた途端、すさまじいスピードと集中力で仕事に打ち込む。「移動時間くらいゆっくりと」などといった甘い言い訳は存在しない。

「ビジネスクラスに乗っているからには、ビジネスをするのが当然」とばかりに、いつも以上に仕事に集中するのだから、感心なかぎりである。

一流のビジネスパーソンは、移動時間も決して無駄にすることなく、生産性マックスで移動するのである。

【2】「移動時間=睡眠時間」とする

これは私のシンガポールの投資ファンド時代の上司の話だが、彼は大変仕事ができるのだが、飛行機の中ではすごい勢いで寝ているのだ。曰(いわ)く「どうせ集中できないから、せめて休むことに徹する」ということで、機内食も事前にすべて断り、シンガポール航空特有の完全フラットビジネスシートで「完全睡眠状態」に入るのである。

一流の人は移動の時間中にエネルギーを充電して、到着した途端「仕事の臨戦態勢」に入ることで、「移動時間」を有効に活用できているのだ。

【3】機内で「教養を高める」

多くの一流ビジネスパーソンが、実は映画にやたらと詳しい。これは、フライト時間に映画をたっぷり見ていることが多いからだ。また、フライト時間を読書時間に充てる人も多い。

日頃のビジネスを離れ、「移動時間は教養を高めるため」に文化的に過ごすのも、一流の一流たるゆえんであろう。

ここまで、飛行機に乗った途端バレてしまう、「一流と二流の深すぎる差」について、謙虚な姿勢を崩さず下から目線で語ってきた、グローバルエリートである私。

しかし、飛行機に乗った途端、「二流の暗闇」に即、転落しているのが、何を隠そう、この私なのだ。

真の「二流の搭乗者」はグローバルエリートの私


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実は機内でこの原稿を書いていて、日本に上陸する寸前に電源を切るように注意されてしまったこの私。

香港空港では3度もキャセイパシフィックに置いてきぼりにされ、長時間の出張のときに睡眠目的でビジネスクラスに乗ったのに、オーバーブッキングでエコノミークラスにダウングレードされるという屈辱を味わったのも、すべてこの私の所業なのだ。

しかし、私のような「二流の搭乗者」が飛行機の中から消えうせないかぎり、この世に真の平和は訪れない

そして、機内で「きれいなフライトアテンダントさん」をジロジロ貫通するような異様な視線で見つめつつ、変に会話の回数を増やそうと、話題もないのにあいさつを試みる二流の乗客がこの世から消えうせないかぎり、太平の世が再び訪れることは、決してないのである。

それでは、「二流コラムニストへの転落事故」を今回もお見せしてしまったところで、私は次の目的地である「グローバル・メールマガジンの執筆」という偉業に向かって、飛び立ちたいと思う。