シーズン終盤にルヴァンカップ、リーグ、天皇杯、ほぼ同時期にクライマックスを迎えるのは、正直もったいない。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全2枚)

 ルヴァンカップの準決勝は10月4日、同10日に準決勝が行なわれる。来年からはJ2に降格した2クラブの参戦が決定するなど改革も進むが、なお問題点の多いリーグカップの存在意義について、サッカーライターの清水英斗氏に見解をいただいた。
 
――◆――◆――
 
 改革案は様々あるだろう。なかにはルヴァンカップを廃止し、カップ戦を天皇杯だけにしろと、極論を唱える人もいるかもしれない。過密日程の解消と、試合の質の向上という観点では、それも間違いとは言い切れない。価値観は人によって異なる。全員が100パーセント満足する答は出ない。
 
 しかし、これだけは間違いだとはっきり言えるのは、現行の方式を続けることだ。ACL出場の4チームを除く14チームを7チームずつに分けてグループステージを行なっている現状は、明らかにいびつである。奇数なので毎節1チームが休みになって効率が悪いうえに、グループ2位以内の可能性が消えたチームは、早々と消化試合をこなすだけになってしまう。今年からプレーオフを設け、グループ3位にも突破のチャンスを広げたが、焼け石に水だ。
 
 18年からは、J2に降格した2チームを加え、きりが良い16チームでグループステージを実施することになったが、これは極めて合理的な判断だろう。唯一、J2の2クラブが過密日程を嫌がるのではと気になったが、むしろ若手や新戦力を試す機会が増えると、歓迎ムードらしい。この改革は評価できる。
 
 ただし、決勝トーナメントの日程には見直しの余地がある。個人的に気になっているのは、シーズン終盤にルヴァンカップ、リーグ、天皇杯と、3つのコンペティションのチャンピオンがばたばたと決まることだ。どの大会でどのクラブが勝ち残っているのか、しばしば混乱するし、すべてがほぼ同時期にクライマックスを迎えるのは、正直もったいない。
 2000年からイングランドのリーグカップは、ファイナルをシーズン半ばの2月あたりに開催するようになった。一方で、プレミアリーグのクラブがFAカップに参加するのは1月からなので、ふたつのカップ戦が重複する期間が短い。リーグカップの準決勝や決勝といった注目度の高いゲームの日程を前倒しして、シーズンの半ばに山場を作ることに成功したのだ。
 
 ルヴァンカップも、シーズン半ばの7月あたりに決勝を行ない、その後は天皇杯と、山場を分けてはどうか。15年から2シーズンに渡って導入された2ステージ制も、狙いのひとつはシーズン前半に盛り上がりポイントを作ることだった。その役割を、ルヴァンカップが担えばいい。
 
 具体的な日程は、まずグループステージとプレーオフを、ACLのラウンド16までの日程(5月下旬)に合わせる。そして6月の国際Aマッチデー期間中に準々決勝を行ない、準決勝は6月末〜7月頭、決勝も7月中に、ぽん、ぽんとリズム良く実施する。過密日程のワールドカップイヤーは、暑い8月に決勝がずれ込むかもしれないが、そんな年は札幌ドームを会場にしてもいい。
 
 ルヴァンカップが終わったら、天皇杯へ。Jクラブが参加しない1回戦は7〜8月に済ませ、2回戦を9月、3回戦を10月のそれぞれAマッチマッチデー期間中に行ない、4回戦は10月末。準々決勝以降はこれまで通り年末〜元日だ。
 
 ちなみに現行のルヴァンカップは、準々決勝と準決勝が9月と10月のAマッチデー期間に開催されるため、代表組は出場できない。いびつではあるが、この期間に公式戦がないと、代表組と残った選手とのコンディションにばらつきが生じやすい。カップ戦が日程の隙間を埋める意義は大きいのだ。それでも、さすがに決勝以外はフルメンバーを組めない現状はどうか。先に記した日程ならば、そうした問題も緩和できる。
 
 ルヴァンカップ決勝が現在の11月から7〜8月に移れば、リーグ終盤の中断期間が短くなるメリットもある。こうしてクライマックスを分散させたほうが、それぞれの大会の宣 伝や告知もしやすいのではないか。
 
文:清水英斗(サッカーライター)
 
※『サッカーダイジェスト』9月14日号(8月24日発売)「THE JUDGE」より抜粋