(写真提供=SPORTS KOREA)イ・ジュンヒョン

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韓国の男子フィギュアスケート界が歓喜に沸いている。

9月30日にドイツで開催されたネーベルホルン杯の男子シングルフリーで、韓国のイ・ジュンヒョンが5位入賞。上位6位以内までに与えられる平昌(ピョンチャン)五輪への出場権を自力で獲得したのだ。

韓国男子フィギュアが五輪出場権を獲得するのは、2002年のソルトレーク五輪以来16年ぶりのこと。それだけにメディアも大きく報じている。

「フィギュアのイ・ジュンヒョン、平昌五輪チケット確保」(『マイデイリー』)
「“最高点”イ・ジュンヒョン、平昌五輪男子シングル出場権獲得」(『SPOTV NEWS』)
「男子フィギュアのイ・ジュンヒョン、平昌五輪出場権確保の快挙」(『ジョイニュース24』)

あの羽生が韓国語で挨拶する選手も!?

ただ、イ・ジュンヒョンの平昌五輪出場が決まったわけではない。

韓国の男子フィギュア代表は、通算3度行われる代表選抜戦で決まる。その第一次選抜戦で1位となり、ネーベルホルン杯に出場したのが前出のイ・ジュンヒョンだった。

つまり、イ・ジュンンヒョンは出場権獲得という役目を見事に務めたが、まだまだ決して安泰ではないわけだ。

例えばキム・ジンソがいる。日本の羽生結弦や宇野昌磨とも交流する彼のことを知る日本のファンも多いことだろう。韓国体育大学に在籍するキム・ジンソは、7月の第一次選抜戦では2位だった。
(参考記事:「羽生結弦が韓国語で挨拶する」フィギュア選手キム・ジンソとは何者!?

ブライアン・オーサー「羽生に似ている」

また、昨年12月の「2016〜2017 ISUジュニアグランプリ・ファイナル」で銅メダルに輝き、今年3月の「世界ジュニアフィギュアスケート世界選手権2017」で80点台を記録したことで、一躍、「韓国フィギュア界の新たな希望」「男子キム・ヨナ」と呼ばれるようになった選手も。

チャ・ジュンファンだ。

彼はまだ16歳と若いが、羽生結弦のコーチも務めるブライアン・オーサーが「羽生に似ている」と絶賛ほど。チャ・ジュンファンは7月の第一次選抜戦では3位に終わったが、若さを武器にした巻き返しを期待する声も多い。

ただ、ちょっぴり寂しいのは代表選抜戦にエントリーしている選手数だ。

男子シングルにエントリーしている選手はわすが4人にしかならない。代表選抜戦はジュニアグランプリ・シリーズへの派遣選手選考も兼ねているが、そこでも男子シングルは5人のみ。韓国メディア『SPORTS Q』などは「韓国の男子フィギュアはシニア、ジュニアを合わせても10人にも満たない劣悪さだ」と嘆いているほどだ。

そのせいだろうか、韓国の男子フィギュア・ファンたちの関心はおのずとタレント豊富な日本に注がれる。

韓国で“ウセンキョルヒョン”との隠れ呼び名もある羽生結弦には私設のファンクラブ・サイトがあるし、宇野昌磨に至っては彼が過去に発した発言がきっかけでネットで炎上騒ぎまで起こったほど、ファンたちの間では名が知られている。

ためしに韓国で最も使われている大手ポータルサイトの検索窓に羽生や宇野の名を入力してみると、宇野は275件、羽生に至っては2142件もヒットするほどだ。

ただ、そんな日本の男子フィギュアに「追いつけ、追い越せ」といわんばかりに韓国男子フィギュアの発奮を期待する声も多い。

特にチャ・ジュファンに関しては、その若さやブライアン・オーサーに師事していること、さらには元子役スターらしい華のある顔立ちも手伝って、「男子版キム・ヨナ」との期待が高まっている。今一つ関心が薄い平昌五輪を盛り上げるためにも、スター出現が待ち望まれているのだ。

はたして、平昌五輪のリンクに立つ男子フィギュア韓国代表は誰になるか。代表選抜戦は今後、12月に第二次選抜戦、来年1月に第三次選抜戦が行われ、3回の合計点数で最終順位が決まる。

(文=慎 武宏)