新たな詐欺の手口が出て来ると必ずメディアで注意喚起を促しているのに、なぜか被害は拡大するばかり。この現象はなぜ起こるのでしょうか? 今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者でマンション管理士の廣田信子さんが、社会心理学の観点から詐欺に引っかかりやすい人の心理を詳しく説明されています。あなたは大丈夫ですか?

振り込め詐欺「正常性バイアス」と「確証バイアス」に要注意

こんにちは! 廣田信子です。

振り込め詐欺が、振り込ませない詐欺に形を変えてどんどん劇場化して、被害は益々拡大しています。

これだけ、様々な啓発活動が行われているのに、特殊詐欺の件数が増える一方なのは、どうしてでしょう。こういう詐欺があることを知らない人はさすがにいないと思うのですが…。

そこには、社会心理学でいう「正常性バイアス」が大きく絡んでいるといいます。「私はこんな詐欺に引っからないわ〜」「私は大丈夫」と思っていることが危険なのです。

「正常性バイアス」とは、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のことを言います。大地震の想定の話を聞いても、自分のところに直撃することはないだろうと思う…、実際に災害が発生しても、まだ大丈夫だろうとすぐに逃げない…。災害時には、このような「正常性バイアス」が命を落とすことに直結するのです。

特殊詐欺にあった人は、過去に騙された人の話を聞いて、自分なら絶対に引っかからないと思っていたといいます。「自分の息子の声ぐらいわかるわ〜」と。自分は引っかからないと思っていると、ちょっとした違和感があっても、それを無視してしまうのです。たとえば、声がいつもと違うと思っても、「携帯の電波が悪いから〜お母さんの声もおかしいよ…」なんて言われると、「そうか…」と思ってしまうのです。相手は、心のメカニズムを知り尽くしていて、声が違う、内容がおかしいと違和感を持たれたときに即座にそれを打ち消す話術のマニュアルを何通りも持っているので、かないません。

そして、もうひとつ、詐欺に引っかかってしまう人の心理に、社会心理学でいう「確証バイアス」というものがあります。「確証バイアス」とは、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のことをいいます。

いったん、いい人だと思って信頼してしまうと、その後、いい人だと思うところばかりを拾い、「あれおかしい〜」と違和感を持つ部分をあえて見ないようにしてしまうのです。人を好きになると、いいところだけを見るようになり、悪いところは見えなくなります。それで、周りの忠告もまったく耳に入らないのは、まさに「確証バイパス」によるものです。

では、なぜ、そうなるのでしょうか…。それは、いちいち疑うより、信じてしまっている方が脳にとって楽だからだといいます。

う〜ん、妙に納得です。楽な方に流れる心理、わかります。詐欺師って、本当に人間の心理を研究しつくしているのだと改めて思いました。手強いです!

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出典元:まぐまぐニュース!