かつて「ビールづくりは農業である」と主張し、味を訴求する広告を見たことがありました。そのとき「素材の良さをアピールした、いい広告だなぁ」と思ったのですが、つい最近、リアルにそれを実践している農家がある、という情報を掴んだのです。

その農家では、自分の畑で無農薬のホップをつくり、それをどっさり入れたクラフトビールを手がけているのだそう。その名も「宇宙農民」。山梨県北杜市で、自然栽培で農業をしている団体です。

農家である彼らは、なぜクラフトビールをつくり始めたのでしょうか。

ポートランドで
運命の出会い。

きっかけは、「宇宙農民」のみなさんが、ポートランドに訪れたときのこと。ふらっと立ち寄ったバーで、これまで嗅いだことがないほど良い香りのビールを味わった。それがまさに、ホップの香りでした。「宇宙農民」の楠瀬正紘さんは、ストレートにこう思ったのだそう。

「この植物を育てたい!そのホップをそのままどっさり入れたビールは最高にうまいはず!」

無農薬ホップの栽培
そしてビールづくりへ

楠瀬さんは、実際にアメリカからホップの苗を取り寄せ、栽培に着手。奇跡的に、北杜市は日本でホップを栽培する地のひとつでもありました。

「宇宙農民」のこだわりでもあるオーガニック農業においても、周囲からは困難と言われつつ、見事、無農薬のホップの収穫に成功。

「ホップの中にルプリンという粒が入っていて、香りの元になっています。これ、ものすっごく良い匂いなんです。これをどっさり入れて、ビールを作りたいんです」

もうこれだけで、確実においしい。実際に、有名な蔵元と共同で、「宇宙IPA」「宇宙GOLD」「BIG BANG IPA」という、3種類の個性的なビールをつくりました。

※画像はイメージです

2017年2月には、本格的にクラフトビール事業を行うための宇宙カンパニー合同会社を設立。DIYで自分たちの拠点施設を建てた経験があったため、醸造所も自分たちでつくることに。

そして現在「宇宙農民」では、醸造所と最低限の設備についての工事を進めていますが、ビール醸造にかかる設備の価格が高いため、クラウドファンディングを実施。支援は3,000円からで、ボトルビールやグラスなどが用意されています。

素材の栽培から製造まで、一貫して農家が手がけるクラフトビール。宇宙まで飛んでいきそうな香りを、ぜひ。

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