「断れない性格」の根っこはココにある ずんずん的“YESガール”の考察
きゃー!! またしても聞こえてきました女性の悲鳴。どうやら酒場で女性が涙しているようです。今日の彼女は「嫌われたくなくて、どんな要求もYESと答えてしまう」そうです。でも、YESと言うたびに心がすり減っているようで……。元外資系OLのずんずんさんが彼女の恐怖を考察します。
断れない最強の「YESガール」
こんにちは!ずんずんです。
人生山あり、谷あり、いろんなことがあります。
上司に無理難題をふっかけられても、涼やかな顔して「YES」と答えなきゃいけない場面もあるでしょう。そんなに好きでもない男性の誘いに、「YES」と答えてしまうこともあるかもしれません。
なんかカッコいい言い方をしましたが、押しに弱い人っているものです。え……そうでもない…? ウートピ女子ってはっきり「NO」と言えるの? まいったな……。
こほん。
とにかく、元同僚のA子ちゃんは、人に頼まれると嫌とは言えない最強の「YESガール」でした。
A子ちゃんは、上司の無理難題をボロボロになりながらこなし、強引に迫ってくる男性に一度は付き合うもののワンナイトで終わってしまうと号泣しながら深酒をするというコンボを繰り返し、そのたびに私たち同僚たちは朝まで付き合うというのがルーチン化していました。
悲しい初体験がきっかけに…
その日も残業明けのA子に駆り出され、泥酔した我々は終電を逃し、24時間営業のファストフード店で始発を待っておりました。店内には似たような人であふれかえり、あたかもなっちゃいけない大人の見本市のようです。
夜明けも近くなった時間に、まだ酔いのさめていないA子ちゃんは唐突に、
「私のYESしか言えない性格は大学の頃に始まったのよ……」
と語りだしたのです。
聞けばA子ちゃん、ずっと中学高校と女子校育ち、大学で初めて日常に異性がいるという状況になったのが大学の頃からなのだとか。
そのころ、予備校のアルバイトをしていて、バイト先に好きな人がいたそうです。
勇気をだして告白したA子ちゃん、告白したその日にスピーディーに初体験をすませました。それにもかかわらず彼と付き合うには至らなかったんですね。
そう、A子ちゃんは遊ばれてしまったのです……。
女子校育ちのA子ちゃんは
「セックスしたら付き合える」と信じ切っていたので、彼の彼女になれないことに対して大混乱です。
「次のデートの時、私は生理中だったの。迫られた時にNOと言ったら途端に不機嫌になって、もう帰る!って。それ以来音信不通になっちゃったの。だから、NOって言ったら嫌われちゃうんじゃないかって思うようになって……」
それを聞いていたその場にいた全員が飲んでいたスプライトを吹き出しました。
そんなことあるかーい!!!
「YES」と答えてしまう心の裏にあるもの
A子ちゃんの思考の超展開にもびっくりですが、A子ちゃんがいつも安請け合いしてしまう原因も、この間違った思い込みにあるに違いありません。
散々な初体験をしてしまったA子ちゃんは、自分に人間的な魅力はなく、自分が他人に認められるためにはどんな要求も受け入れなければいけないと信じきってしまったんですね。
その結果、本心を隠して「YES」と言うクセがついてしまったんです。
それを聞いていた我々は、
バカ!
A子の魅力はそんなところじゃない!
そんなことしなくても、A子のことを好きになってくれる人はいる!!
と説教しながらなぜか泣き出すという事態になりました。わかりますかこの状況、そう我々は酔っぱらっていたのです。
A子ちゃんのように、「自分の価値」は「優しくて素直であること」「相手を否定しないこと」だと勘違いしている人は結構います。
でも、自分を大切にできなくて他人から大切にされるなんてことはありません。
相手の要求を受け入れないと自分も受け入れてもらえないんじゃないか、そんな恐怖を感じた時の戦略は本当に些細なことなんです。
それは、自分を大切にすることです。
平気なふりをしても心は傷つく
A子ちゃんは、自分さえ我慢すれば丸く収まると考えているようですが、そんなことはありません。誰だって、大切にされなかったら傷つきます。表面上平気なふりをしていったって、心の世界ではちゃんと対価を支払っているんです。
傷つけられれば傷つけられるほど、自分には愛される価値がないと感じるようになります。そうすると、なぜだかそれを確かめるようにひどい男やブラック企業ばかりを渡り歩いてしまうんですね。まるで自分で不幸になる道を選んでるかのようです。
その連鎖を絶ち切るためにはひとまずおちついて、あったかい紅茶でも飲んでみることです。そして、自分を大切にするってどういうことか考えてみましょう。
自分自身が自分を大切にして、自分には愛される価値があると信じてあげない限り、他人にも大切にされません。
さてはて、A子ちゃんと言えばそれからどうなったかと言いますと……。
2度目の連絡がこない男性を追いかけるのもほとほと疲れてしまったのか、今は男に目もくれず仕事にまい進しております。無理難題をふっかけてくる上司とも納得できない時は「今やる必要がありますか?」と議論するようになったのだとか。仕事で自立していくのも自分を大切することの一つですから、それはそれでよかったの……かな?
といったところで今日は失礼します☆