長友とハリル監督の奇妙な縁 代表デビューの地に高揚感「なんの奇跡が起きたのか」

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代表デビューを果たした豊田スタジアム「ホームに帰ってきた感じ」

 日本代表は10月6日の国際親善試合ニュージーランド戦に備え、3日に愛知県内でトレーニングを実施。

 同日帰国したDF長友佑都(インテル)はチームに合流後、調整を中心としたメニューを消化した。豊田スタジアムでのニュージーランド戦について、バヒド・ハリルホジッチ監督を含む“不思議な縁”を語った。

 ハリルホジッチ監督はトレーニング前に全員を集めて檄を飛ばした。ロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選が終わってから最初の対外試合ということもあり、この試合が「新しい第一歩」になると強調していたことを長友は明かした。

「要求はもっと高くなるよ、と。目標はワールドカップで勝つことだと強く言っていたので。相手がどうとか言う人がいるかもしれないが、そんなの関係ない。1試合も負けられないし、すごく良い内容で勝つんだと言っていました」

 長友は2008年5月24日に行われた国際親善試合コートジボワール戦が、代表デビューだった。この時、今回と同じ豊田スタジアムのピッチに立ったことを鮮明に覚えている長友は、「すごく親近感の湧くスタジアムですよね。ここでデビューさせてもらって、そんなに試合をしていないのにホームに帰ってきた感じ」と、思い入れのある会場でのゲームに高揚感を語った。

「才能がなくても努力でやっていける」

 それと同時に、奇妙な縁がその試合には存在する。当時のコートジボワール代表を率いていた指揮官こそ、現在の日本代表を率いるハリルホジッチ監督だったのだ。代表デビューのスタジアムで、当時の相手チームの監督が現在の指揮官という状況に「ハリル監督がデビューした時にここにいたんだなと。そうやって不思議な縁は感じるんですよね。だから試合に出たら結果を出したい。コンディションも良いですからね」と意気込みを語る。

 これまで日本代表97キャップの長友。「10年間こうやって代表で試合をさせてもらいながら、最近は自分が小学校から高校くらいまでに代表チームをどう思っていたかと考えることがあるんですよね」と過去に思いを巡らせ、観る人たちへメッセージを送る。

「当時は憧れの存在どころか、考えられないような位置にいる人たちだったんですけど、そこに自分がいて100試合にいくかもしれないというところにいるのは、どこでなんの奇跡が起きたのかと。人生は分からないと思います。才能がなくても努力でやっていけるということを子どもたちにも伝えたいですよね」

 日本代表のダイナモとして、イタリアの名門インテルの最古参として、着実にキャリアを積み重ねてきた。しかし、その代表チームでのキャリアの原点は、この豊田スタジアム。ハリルホジッチ監督との不思議な縁もある思い出の場所で、長友はその誇りと喜びを胸にピッチを躍動するはずだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images