【ルヴァン杯準決勝 プレビュー】旋風巻き起こす桜の戦士たち…“宿敵”とのダービー制し新たな時代を

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 3年ぶりにJ1に復帰した今季。セレッソ大阪は、リーグ戦で一時、首位にも立つなど快進撃を続け、J1に旋風を巻き起こした。トップ下にコンバートされた山村和也が話題をさらい、センターFWで起用された杉本健勇は得点王を争い、日本代表にも選出された。今季から新たにC大阪の指揮官に就任した尹晶煥監督が、才能豊かな選手たちに規律を植え付けたことで、J1でも屈指の強豪にチームは変貌を遂げたのだ。

 快進撃はJリーグYBCルヴァンカップでも同じ。リーグ戦とはまた異なるメンバーで戦い、控え選手のモチベーションを高めると、彼らは指揮官の期待に応え、グループステージは無敗でBグループを2位通過。今年から新設されたプレーオフステージに進出すると、Aグループ3位の北海道コンサドーレ札幌をホーム、アウェイともに下し、決勝トーナメントに駒を進めた。準々決勝では浦和レッズを相手にホームで0−0、アウェイで2−2とアウェイゴール数の差で勝ち抜き、準決勝にたどり着いた。

 ベスト4の相手は宿敵ガンバ大阪。大阪を二分するライバルとのダービーは、国内で最も熱く燃え上がるダービーと呼んでも過言ではない。それでも、実績という点で、C大阪はG大阪に大きく水をあけられている。2005年に初のリーグ優勝を果たしたG大阪は、その後、強豪としての地位を固め、ここまで獲得したタイトルの数は『9』(2013年のJ2優勝は除く)。同じく2005年にはC大阪も最終節まで優勝争いを繰り広げながら、最終節・FC東京戦における89分の失点により戴冠を逃すと、以降はJ2降格とJ1昇格も繰り返すなど、タイトルとは無縁でここまで来ている。

 そして巡ってきた、クラブ初のタイトル獲得のチャンス。C大阪としては、新たな歴史を築くために乗り越える相手として、G大阪はこれ以上ない相手。今季、C大阪に復帰した清武弘嗣は、「セレッソというクラブがここからさらに大きくなるために必要なものはタイトル」だと断言する。リーグ戦では得点王を争う杉本健勇も、「個人のタイトルより、欲しいのは、チームとしてのタイトルに決まっている」と話す。香川真司や乾貴士、清武に柿谷曜一朗、山口蛍に南野拓実など、これまで数々のプレーヤーを欧州に送り込むなどクラブとしての個性は際立っているC大阪だが、足りないものはタイトルに他ならない。ここにきてリーグ戦では今季初の3連敗を喫するなど今季最大の正念場を迎えていることは確かだが、1発勝負のカップ戦は全く別の戦い。相手がG大阪となればなおさらだ。優勝への強い気持ちを携え、C大阪がルヴァンカップ準決勝に挑む。

文=小田尚史