映画『君の名は。』公式サイトより

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 9月28日、昨年大ヒットした新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』がハリウッドで実写化されることを東宝が発表。あわせてパラマウント・ピクチャーズなどと共同開発、プロデューサーは『スター・ウォーズ』シリーズなどで知られるJ・J・エイブラムス、脚本には『メッセージ』などのエリック・ハイセラーが参加することもあわせて明らかにされた。

 新海監督はTwitter(@shinkaimakoto)にて、「ローカルな想像力とドメスティックな技術で作った『君の名は。』がどう生まれ変わるのか、楽しみにしています。僕たちの新作映画も負けぬようがんばらねば。」とコメント。

 日本の漫画やアニメを原作とした作品が米国で実写化されるとなると、壮大な失敗作に終わった『DRAGONBALL EVOLUTION』などを思い出すアニメファンも多いようで、拒否反応を示すファンが多いが、さらには「新たなホワイトウォッシングにつながってしまうのでは」と懸念する声も一部にあるようだ。

「ホワイトウォッシング」は、白人以外の役どころ(キャラクター)を白人俳優に配役されること。近年のアメリカ映画やエンターテインメント界では、有色人種の出演する機会を白人が奪ってしまうと問題になっている。実は士郎正宗の漫画『攻殻機動隊』とそれをアニメ化した押井守監督の『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』を原作として実写化され、今年3月に公開された『ゴースト・イン・ザ・シェル』でも、主人公が草薙素子からミラ・キリアンと設定を変更したうえで、スカーレット・ヨハンソンが演じたことで「ホワイトウォッシング」であると、アメリカで激しい論争となったのだ。

「ただ、日本ではあまり批判する声は多くなかったように思います、そもそも実写化に反対というファンはそれなりに多かったですが。『アメリカの映画でアメリカ人が主演するのは当たり前』といった考え方をするファンもいましたし、そもそも少佐は全身が義体(サイボーグ)ですから、ボディを変えることもできるし、遠隔操作の予備義体も複数抱えているなど、外見が重要な個性を持つキャラクターではありません。

 少佐役を白人女性が演じても反発する声が少なかったのは、そんなキャラ性も大きかったように感じます。むしろ、少佐の上司・荒巻役をビートたけしが演じることのほうが驚きと反発が大きかったように思います(笑)。

『君の名は。』は、東京の各地や飛騨高山といった舞台が魅力的に描かれていましたし、神社や巫女など神道の要素もありましたから、『攻殻機動隊』よりも実写化の反発は大きいでしょうね。せっかくプロ声優ではなく、神木隆之介と上白石萌音という俳優2人を主演に起用したのだから、日本の映画会社が2人を起用して実写化すればいいのにと思いましたけど」(アニメライター)

 ネット上でも否定的な声も多いが、J・J・エイブラムスといえば新日家で日本のカルチャーにも詳しいことでも有名。まずは続報に期待したいところ。一方で、「日本もアメリカのことはいえないのでは」という声が、一部アニメファンからあがっているという。

「15年に公開され、大コケしてしまった『進撃の巨人』、そして今年12月の公開を控える『鋼の錬金術師』。原作は大人気マンガでアニメ化もされましたが、作中の舞台やキャラはいずれも欧米っぽく描かれています。『進撃』はネーミングももちろん、作中の舞台もドイツに実在する都市がモデルと言われていますし、キャラクターのルックスも欧米人らしく描かれています。ところが、日本で制作されて公開されるんですから当たり前といえば当たり前ですが、実写映画の配役はほとんどが日本の俳優さんで、皆さん格好良かったり綺麗だったりはしますが、やはり原作やアニメと比べると違和感がありますし、コスプレ感もある。

『鋼の錬金術師』も、登場キャラのネーミングやルックス、舞台も欧米らしく描かれていますから、今のところ公開された役衣装の写真や動画に『コスプレっぽい』などと批判の声を上げるファンが多いんです、CGは凄いとほめる声は多いんですが。

 もともと日本での実写化に反対だというファンと思しき人からは、欧米人っぽいキャラクターや描いた作品に日本人を起用するのは『イエローウォッシュなのでは』という声が、ネット上の一部で上がっているようです。やるならハリウッドで制作されたNetflixオリジナル映画『Death Note/デスノート』のように、設定の骨子と大まかなストーリーだけ受け継いで、キャラや舞台はガラッと変えたほうが、原作ファンからの理解を勝ち取りやすかったかもしれませんね」(前出のアニメライター)

 実写版『鋼の錬金術師』は、通常2D版、IMAX2D版、4DX版の計400スクリーン以上で上映開始予定と、配給のワーナー・ブラザーズ映画もかなり気合が入っているようだが、実写版『鋼の錬金術師』の二の舞を避けることができるのか。ハリウッド版『君の名は。』の続報とあわせて、注目してみたい。
(文=編集部)