余った調味料の使い方は? 食器洗いを楽にするコツは? 台所の悩みを即解決!

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意外とユーウツなことが多い「台所」の時間。

「洗い物をしなきゃ…」
「献立、何でもいいって言われたけど…」

「作らなきゃいけない」という義務感から、「料理って面倒くさい」と悩んでいる人は少なくないはずです。

そんな悩みを一気に吹き飛ばしてくれる一冊が、人気料理教室を主宰する料理家の高木ゑみさんによる『やる気の続く台所習慣40』(扶桑社刊)。

今回、高木さんのご自宅にお邪魔し、実際に台所を見せてもらいながら、料理に対するモチベーションを高める「台所習慣」についてお話を伺いましたが、後編では新刊JP読者から質問を受け付け、答えていただきました!

余った調味料の使い方は? 食器洗いを楽にするコツとは? スポンジの取りかえるタイミングって? リアルな悩みに高木さんはどう答えたのでしょうか?

(取材・文/金井元貴)

■モチベーションを下げる「食器洗い」を楽にするコツは?

Q、調味料の使い方に悩んでいます。レシピ集を見ていると、バルサミコ酢やナンプラーなど普段あまり使わない調味料が出てきますが、余ってしまうのではないかと買うことに躊躇してしまいます。どのように調味料を使えばいいのでしょうか?(40代女性)

高木:一つ目の解決方法ですが、「今日はその調味料を使った料理を作る!」と決めてしまいましょう。そして、すきま時間でその調味料を使ったレシピを調べる。料理のレパートリーも増えるのでおすすめです。例えばナンプラーと野菜炒めとか、ナンプラーとカレーとか、組み合わせるとより美味しくなる料理も多いですよ。

もう一つの解決方法は、マヨネーズもしくはめんつゆと和える。これは間違いなく、どんな調味料でも美味しくなります。ナンプラーもチリソースも一回混ぜて舐めてみて、何の料理に合うか自分で考えてみると楽しいです。味の幅が広がりますよ。

Q、私の料理のモチベーションを下げるのが「食器洗い」です。片づけるのが大変で、料理があまり好きになれないのですが、「食器洗い」を楽にするコツ、もしくは楽しむコツはありますか?(30代女性)

高木:キッチンタイマーやテレビCMの時間を使って、「ヨーイ、ドン!」で制限時間内に食器洗いをする。ゲーム感覚でやっちゃうんです。また、音楽に合わせてやるのもいいですね。私の場合、料理中はボブ・マーリーの曲を聴くのですが、少しテンポがゆっくり目なので、洗い物はクラシックの「天国と地獄」などをかけます(笑)。徒競走のテーマとしても知られていますが、スピードアップしますよ。

Q、スポンジを取り換えるタイミングが分かりません。高木さんはいかがですか?(20代女性)

高木:私の場合は毎月1日に取り換えると決めています。気持ちが一番真新しくなる日なので(笑)。そういった定期的に気持ちが入れ換わる日があると思うので、その日にスポンジを新しいものに換えると決めてしまうのがおすすめです。

■マンネリ化しない究極の作り置きおかず。それは「全て作らない」こと?

Q、炊飯器やホットプレート、冷蔵庫などの料理関係の電化製品の替え時が分かりません。どのタイミングで買い替えるべきですか?(60代女性)

高木:私は壊れたら買い替えています。ただ、炊飯器は進化が速いですし、味に影響するものですから、新しいものが出たら買い替えてもいいかもしれません。

でも、すべて新しいものに飛び付く必要はなくて、むしろ日常的に使っている菜箸、おたま、ヘラといった調理器具の方をチェックすべきです。少し壊れていても惰性で使ってしまっていたりしますが、そういうものこそ買い替えたほうが、効率が上がりますよ。

Q、共働きに最適なマンネリ化しない作り置きおかずを教えて下さい。(30代女性)

高木:おすすめは最後まで料理を作らないことかな。共働きだと料理を食べる時間もバラバラになると思うので、仕上げを自分でするようにしておくんです。例えば、塩とこしょうだけで薄く味付けをしたそぼろを作っておけば、それを使ってオムライスもできるし、ポテトコロッケにしてもいいでしょう。また、にらともやしのナムルは、塩焼そばやスープ、おつまみサラダに使えます。
このレシピについては『毎日らくちん「万能菜」』という本にまとめていますが、最後のアレンジを相手に任せて、お互い食べたいものを作る。そうすると、マンネリ化も防ぐことができますよ。

Q、小学生の子どもに料理を作ってもらう日があるのですが、どうしても台所が汚くなってしまいます。きれいに使ってもらうようにするにはどうすればいいでしょうか。(40代女性)

高木:まずは台所から物をなくすことですね。物があると、よりごちゃごちゃになってしまいます。もともと何もなければ、キレイに使ってもらえると思います。でも、子どもが料理を作る日があるのはすごいですね。

■料理は材料で考えるのではなく調理法で考えよ!

Q、作る料理のアイデアが浮かばないのですが、高木さんはどのようにしてアイデアを生んでいますか?(30代女性)

高木:インタビュー前編でも触れましたが、基本的に同じ材料を使っても、調理法が違うだけでまったく別の料理になります。だから、迷った時は食材の組み合わせではなく、調理法で考えるといいでしょう。
豚肉だったら、「煮る」ならば角煮やポトフ、「焼く」ならば生姜焼き。今ある材料で、「これを「煮たら/炒めたら/蒸したら」と考えた上で、味付けを決めます。味付けについては、調味料の割合をメモして冷蔵庫に貼っておくといいかもしれませんね。

Q、レシピ集を見ながら料理をするのですが、料理をしながらレシピ集を開いたままだと本が濡れてしまいます。何か改善策はありますか?(20代女性)

高木:わかります。それに本を見ながら料理を作ると時間もかかってしまいますよね。そういうときは、料理をする前に一度レシピ集をじっくり読んで、頭の中でシミュレーションしましょう。また、調味料の調合が必要なら、先に作ってしまうといいと思います。
まずは事前にイメージをすることで、レシピ集が手元になくても作れるようにすることが大事です。

Q、では、最後に『やる気の続く台所習慣40』を、どのような方に読んでほしいですか?

高木:毎日料理を嫌々やっているという人ですね。料理は楽しいものですし、楽しむべきものなのに、ちょっとした「面倒くさい」の積み重ねで料理がつまらないものになっているのはもったいないことです。

この本の「おわりに」で「丁寧に、一生懸命」という私のキーワードを書かせてもらいましたが、一生懸命にやることで、料理は楽しくなるし、達成感も生まれます。そして何よりもすぐに終わるんです。洗い物も一生懸命やれば1分で終わります。料理は大切な人たちを笑顔にするので、やる気がなかなか出ないという方にはぜひ読んでほしいですね。

(了)

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