シャープが開発した、嚼むテンポを測定するヘルスケアデバイス「bitescan」

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 CEATEC JAPANに出展するシャープが、食べ物などを嚼む(かむ)ときのテンポを測定して健康状態を計るためのウェアラブルデバイス「bitescan(バイトスキャン)」の試作機を展示している。人工知能の技術を活用したAIoTをテーマに、デバイスとサービスの開発に力を入れるシャープだが、ヘルスケア用途を目的としたコンパクトなデバイスの開発、ベンチャー企業をパートナーに迎えた開発支援の活動も今年のCEATECで紹介している。

■嚼むテンポに目を付けたヘルスケアデバイス「bitescan」

 バイトスキャンは片側の耳に掛けて、モノを「bite=咀嚼する:嚼む」ときのテンポを測定するデバイス。Bluetoothで接続したモバイル端末のアプリに測定値がリアルタイムで表示される。デバイスの中にはシンプルに加速度センサーのみ内蔵している。

耳に掛けて使うデザインに。根もとの箇所にセンサーが内蔵されている

 シャープはなぜこのようなデバイスの開発に目を付けたのか。担当者によれば、新潟大学との共同研究・開発により人の嚼む力が健康状態のバロメーターになることが見えてきたのだという。「咀嚼の状態を測定するためには大がかりなヘッドセットを身に着ける必要があった。シャープのIoTの技術を使ってデバイスを小型化できたことと、ウェアラブル機器で取得したデータの解析はスマホやPCの豊富なプロセッサーパワーに任せるという機器どうしの役割分担を確立できたことで、従来より手軽な測定が可能になった」と担当者が説明する。

試作機はカラーバリエーションも用意した

 耳元に装着したデバイスで皮膚の動きを検知。1分ごとに計測した咀嚼回数を解析後、いくつかのパターンに分類したスコアに照らし合わせた結果をアプリの画面に表示する。新潟大学とシャープの研究によれば、正しく嚼むことが、胃腸の動きを活性化させて、肥満や糖尿など病の防止、美容にも結びつくのだという。商品化の具体的な時期は決まっていないというが、展示されていた試作機の完成度はなかなかのレベルに達していたようにみえる。

計測したスコアは動物の種類で分類。あまり嚼まずに食べていると「ヘビ」や「カバ」に、最適なスピードの場合は「ウシ」「ウマ」に分類される。

嚼むテンポが健康のバロメーターになるという

■シャープのベンチャー支援プログラム「SHARP IoT.make Bootcamp」とは

 シャープではIoT系ハードウェアベンチャーの支援プログラム「SHARP IoT.make Bootcamp」を立ち上げ、国内のスタートアップの育成にも力を入れている。

SHARP IoT.make Bootcampの活動を紹介

 シャープ天理総合開発センターが年4回実施する同プログラムは「モノづくりブートキャンプ」と「量産アクセラレーションプログラム」のふたつに分かれている。「独創的なアイデアを持つスタートアップの中には、それを具現化する際の設計や生産、品質管理にアフターサービスなどのノウハウを持たないため、前に進むことを断念せざるを得ないという事業者も多くいる。シャープが培ってきたモノづくりに必要な基本技術とノウハウを提供することで、スタートアップがアイデアをかたちにするための一助としてプロジェクトが始まった」とシャープの担当者が解説する。

スマートフットウェア「Orphe」の第2弾モデルも現在シャープと共同で開発中だという

 モノづくりブートキャンプは10日間のあいだに様々な種類の研修プログラムが実施され、参加者は必要な研修だけをピックアップして受講することもできる。1年前からスタートしたプログラムに、これまで21社が参加した実績がある。モノづくりブートキャンプの参加者の中から、さらに希望する企業にはアイデアを製品化に持っていくための3〜12ヵ月に渡る「量産アクセラレーションプログラム」が提供される。同社の試みにより、国内からより多くのスタートアップの芽が出てくることを期待したい。

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