<銃の購入には許可も届け出もいらず、何丁でも買える。届けを出せば自動小銃や機関銃もOK。隠して持ち歩くには許可がいるが、大っぴらに持ち歩くのは自由って?>

ネバダ州ラスベガスで10月1日の夜、アメリカ史上最悪の銃乱射事件が発生した。国内で銃規制がもっとも緩い州の1つであるネバダ州の法律に、厳しい視線が集まるのは必至だ。

ネバダ州の法律では、銃を所有するのに許可は必要なく、届け出も義務付けられていない。個人が所有できる銃の数にも制限はない。全米ライフル協会(NRA)によれば、同州では、連邦法に基づいて届け出を出せば、自動小銃と機関銃を所有することもできる。

また、攻撃用武器や50口径ライフル、大容量の弾倉を譲渡したり所有したりすることも禁止されていない。銃器を隠して持ち歩く場合は地元警察の許可証が必要だが、大っぴらに持ち歩くのであれば許可は不要だ。

ネバダ州でも、2016年11月には銃反対派が一定の勝利をおさめたことがある。個人間による売買やオンラインで銃を購入した場合でも、購入者の身元確認を義務化すべきだとする法案「Question 1」が、住民投票において僅差で可決されたのだ。

ラスベガスの銃撃事件に関するソーシャルメディアでの当初の報道を見るかぎり、単独で犯行に至った銃撃犯スティーブン・パドック容疑者は、大口径の自動小銃を使っていたようだ。銃撃現場を撮影した映像からは、数秒間でかなりの数の銃声が鳴り響いているのが聞こえてくる。

攻撃用武器いったんは禁止したが

そうした武器は、1994年に施行された攻撃用武器規制法で禁止されたが、同法は2004年に失効した。一部の政治家が同法を復活させようと試み、あと一歩のところまで迫ったものの、2012年にコネチカット州のサンディフック小学校銃乱射事件が起きた後も、復活には至っていない。

銃による暴力の撲滅を訴える非営利組織「銃暴力を止める連合」は、銃乱射事件の加害者がそうした武器を好むのは「当然だ」と述べている。「攻撃用武器は、殺傷能力が最大になるよう設計されており、できるだけ多くの人を、できるだけすばやく殺すことを意図している」

一方、銃業界のロビイストたちは、購入時の身元確認を強化しようとする住民投票がネバダ州で可決されたことに非常に批判的だ。Question 1はネバダ州で決議されたものの、法律はまだ施行されておらず、違憲と訴えられて法廷で争われている。また、身元確認を誰が行うのかは明確ではない。

ネバダ州は、1998年から身元確認を州独自で実施してきた。地元紙のラスベガス・レビュー・ジャーナルによれば、新たな法律では、身元確認は連邦捜査局(FBI)が担うと規定されているが、FBI側は、連邦政府による義務づけではないので、身元確認の実施を否定しているという。

(翻訳:ガリレオ)

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カラム・ペイトン