カプチーノを入れるバリスタ(2017年2月10日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】一日の始まりに朝食を抜いたり、ほとんど食べなかったりする人は、動脈硬化を発症する確率がそうではない人に比べて2倍高くなるとの研究結果が2日、発表された。動脈硬化は致命的な心臓病の原因となるとされている。

 米国心臓病学会誌「Journal of the American College of Cardiology」に掲載された研究論文は、症状や病気が現れるはるか以前の段階で動脈への損傷の兆候がみられることを明らかにした。

 今回の研究成果は心疾患との闘いに重要な手段を提供する可能性があると、研究チームは主張している。世界保健機関(WHO)によると、心疾患は世界の死因のトップで、2015年には年間1770万人が死亡している。

 論文の執筆者で、米マウントサイナイ病院(Mount Sinai Hospital)の心臓科医、バレンティン・フステル(Valentin Fuster)氏は、「いつも朝食抜きの人は、生活スタイルが全般的に不健康である可能性が高い」と話す。

「朝食抜きは、心臓病のリスクを減らすために予防的に変えることができる悪習慣の一つであるという証拠を今回の研究は提供している」

 今回の論文は、スペインの中高年の会社員4000人を6年間にわたり追跡調査した結果に基づいている。

 調査対象者の約4人に1人、約25%が一日のカロリー摂取量の20%以上を含む高エネルギーの朝食を取っていたのに対し、70%は、一日のカロリー摂取量の5〜20%に当たる低エネルギーの朝食を食べていた。3%は、朝食を完全に抜いているか、ほとんど食べないと答えた。このグループは「食生活が全般的に不健康で、心血管系のリスク因子を抱える割合が高い傾向がみられた」と、論文は指摘している。

 また、論文によると、朝食抜きの人は「胴回り、体格指数(BMI、身長と体重から算出される肥満度を測るための指標)、血圧、血中脂質、空腹時血糖値などの数値が最も大きかった」という。

 研究チームは、病気の早期兆候とされる動脈内の脂肪性沈着物の割合を調べるため、調査参加者を超音波技術でスキャン。その結果、朝食でカロリー摂取量が一日の推奨摂取量の5%に満たない人は、高エネルギーの朝食を食べている人に比べて、動脈内の脂肪蓄積量が平均で2倍であることが分かった。

 一日を始めるのに朝食を抜いたりほとんど食べなかったりする人々の動脈硬化リスクの上昇は、喫煙、高コレステロール、運動不足などのその他の因子とは関係なく生じると思われた。

 過去の研究では、健康に良い朝食を取れば、体重低下や健康的な食事療法につながり、コレステロールや血圧、糖尿病などに関連する疾患リスクが減少する一方で、朝食抜きによって冠動脈疾患リスクが上昇することが示されている。

 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San Francisco)のプラカシュ・ディードワニア(Prakash Deedwania)教授は、論文と同時掲載の解説記事で、朝食抜きが個人の健康に害を及ぼす可能性があることについて、今回の研究はさらなる証拠を提供していると指摘。

「朝食を抜く人はたいてい体重を減らそうとしているが、その後の時間帯に不健康な食事をたくさん取ることが多い。朝食を抜くことでホルモンのバランスが崩れ、概日(がいじつ)リズム(約24時間周期の体内時計)がおかしくなってしまう可能性がある」「今回のエビデンス(根拠)を踏まえると、朝食が一日の食事で最も重要であることの正しさが立証された」と述べている。
【翻訳編集】AFPBB News