鉄道マニアじゃないのに3年で8600駅を制覇した会社員を発見!

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家族を札幌に残して首都圏で会社勤めをしながら、3年で8600を超える駅の“位置取り”を達成した男性を都内で発見した。スマホや携帯の位置登録機能を利用して、移動距離や現在位置を算出させ、そのデータを元に進められる位置情報ゲームは「位置ゲー」と呼ばれる。この位置ゲーで現在位置を登録することを「位置を取る」と言う。日本全国の鉄道駅を訪れたり、その路線に乗車して駅を通過することで、「位置を取る」スマホゲームにハマって3年。取得駅数は2017年9月現在2位、8600駅を踏破したissyさんに、全部で9100弱あるという駅のコンプリートが間近に迫ってきた心境と、これまでの苦労話を聞いてみた。

■ハードな旅「修行です」

「それはそれはハードな旅でした。残っているのは愛三岐(愛知・三重・岐阜)と四国だけ。あと2遠征ぐらいかな」。issyさんが位置ゲーの履歴を表示したスマホ画面を見せながら少し誇らしげに語る。「制覇路線」が20数ページに及ぶのに対し、「未制覇路線」はわずか2ページだ。

鉄道の旅といえば、走行音に耳を傾けながら車窓を眺めたり、揺れに合わせてウトウトしたりとのんびりした情景を思い浮かべるが、issyさんの場合はまるで違う。

「僕の場合、1日15時間以上も鉄道に乗り、ひたすら駅を位置取りしていく。眠ることはできないし、他のことに気を取られて通過してしまったら大変です」とissyさん。

まだ乗っていない区間をなるべく一筆書きになるように行程を組み、できるだけ安く短時間で回ることを心掛けている。観光やグルメのことは頭にない。そのストイックな旅を自ら自嘲気味に「修行」と呼んでいる。

■パス駆使して可動域が拡大

issyさんがゲームをダウンロードしたのは2014年9月。当初は通勤圏内の私鉄フリーパスを使って回る程度だったが、50歳以上が資格となるJR東日本の「大人の休日俱楽部」、JR西日本の「おとなび」に入会したことで本格的な挑戦がスタートした。

新幹線、特急を含めて、前者は1万5000円で4日間乗り放題、後者は1万8000円で3日間乗り放題となるパスが期間限定で手に入る。これらを駆使することで「節約の幅も可動域も一気に広がった」という。

記念すべき最初の遠征は2015年1月の北東北だった。大人の休日俱楽部パスを入手し、津軽半島の突端にある「三厩(みんまや)駅」を目指し北上。さらに下北半島へ回って「大湊駅」へ。そして「盛岡駅」まで南下し初日を終えた。

■ハプニングも楽しみの一つ

盛岡から秋田に向かい三陸海岸を目指した翌日は吹雪による運休で引き返すことに。だが、ここで、JRが負担するタクシーの代行輸送を初めて体験。鉄道マニアならがっかりするところだが、高速道路を使わず線路沿いの道路を走るのが代行輸送のルールのため、駅の位置取りには支障なかった。

一方、その日の宿を予約していた「大船渡駅」まではたどり着けず、首都圏の自宅まで新幹線で戻り、翌朝にはまた新幹線でやってきて位置取りを続行。乗り放題パスならではのメリットを十二分に生かした。

「どこかで必ずハプニングが起きる。それをどう戻していくのかも楽しみの一つ」と駅コンプリートについて語るissyさん。出発前は観光気分もあったというが、最初の遠征で、駅制覇へと一気にギアチェンジした。

以来、1万1850円で普通列車が乗り放題となるJR旅客各社の「青春18きっぷ」も駆使して年7、8回遠征。3年弱で8600超まで駅取得数を伸ばしてきた。

■徐々に鉄道旅の楽しみも実感?

もともと鉄道マニアではなかったissyさんだが、廃線間近の三江線(江津―三次駅)で沿線住民から受けた歓迎、日本一といわれる愛媛県にある「下灘駅」の夕日、大糸線(松本―糸魚川駅)の雪景色などに感動してきた。