川栄李奈、適応力の高さで女優業を邁進! 『亜人』で見せたキレキレのアクション

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 現在公開中の映画『亜人』で、玉山鉄二扮する厚生労働省・亜人担当職員・戸崎の部下・下村泉を演じている川栄李奈。劇中では、小柄ながらも戸崎のボディーガードとして、小気味よいアクションや、謎めいた人物像を好演している。2015年8月にAKB48を卒業後、順調な女優活動を続ける川栄の魅力に迫る。

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 これまでもAKB48グループを卒業後、女優として活動していくことを宣言したメンバーは数多くいるが、最近の川栄の活躍ぶりは目を見張る。その最大の要因となっているのが、卒業直後に臨んだ舞台『AZUMI 幕末編』での評価だろう。主演のあずみを演じた川栄は、手数の多い殺陣のシーンで躍動感あふれる動きを見せるとともに、観客を引き込む表現力で非常に高い評価を得た。

 もともとAKB48在籍中に出演した宮藤官九郎脚本のドラマ『ごめんね青春!』(TBS系)で、思い切りの良い演技を披露するなど、女優としての資質は随所に見せていたが、舞台の高評価により、活動の場は広がった。2016年にはNHKの連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で、ヒロイン・常子(高畑充希)が世話になる老舗仕出し弁当屋・森田屋の娘・富江を、昭和初期という時代感をしっかり感じさせる表現力で演じ切った。

 その後も、コンスタントにテレビドラマに出演し、さまざまな顔を見せてきた。さらに、先月まで放送されていたドラマ『僕たちがやりました』(TBS系)では、弱っている男子を放っておけない、やや性に対して緩い女子高生・新里今宵を熱演。劇中では、露出度の高い衣装や、きわどいベッドシーンなど体当たりの演技を見せ、新境地を切り開いた。

 そして映画『亜人』では、舞台で魅せた身体能力を活かしたキレキレのアクションを披露している。これまでの共演者や演出家たちは、一様に川栄の、思い切りの良さや、勘の良さを評価していたが、『亜人』でメガホンをとった本広克行監督も、川栄の魅力を「『こうしたらどうだろう』と提案すると、すぐに実践できてしまうし、トレーニングも真面目に一生懸命やる。アイドルからの転身で、ああいうタイプの役者はなかなかいない」と芝居センスを絶賛する。

 本広監督の言葉通り、『亜人』の劇中では、アクション監督のさまざまな提案に対して、臨機応変に対応し、アクロバティックな動きも軽やかにこなす一方、謎の多い設定のため、過剰な表現ができないなか、泉という人物の“業”をしっかりと演じている。泉の演技が評価されてなのか、川栄主演の本作のスピンオフ作品も制作された。 本人の充実ぶりは、舞台挨拶等の発言にも見受けられる。『亜人』の劇中で佐藤健や綾野剛が美しい肉体美を披露しているが、川栄は公開初日の舞台挨拶で「佐藤さんや綾野さんの裸を1800円で見ることができるんです。私なら10回は見たいです」と客席に呼びかけるなど、作品を盛り上げるためのトークも冴え渡っていた。

 2018年も、理系女子の青春を描いた『恋のしずく』で映画初主演を飾るほか、いくえみ綾の人気コミックを実写映画化した『プリンシパル〜恋する私はヒロインですか?〜』、長澤まさみ&高橋一生が出演する『嘘を愛する女』で高橋演じる桔平に付きまとうゴスロリファッションの女の子を演じるなど、出演作が目白押しだ。

 どんな役柄にも対応できる適応力の高さと、物怖じしない思い切りの良さ……多くのクリエイターからの支持を得た川栄の快進撃は今後も続きそうだ。

(磯部正和)