エジプトに存在するピラミッドは紀元前2500年頃に作られたとも言われているのですが、どのようにして1個あたり約2トンもある石を300万個も運んで積み上げたのか、その建設方法は依然として謎が多いままです。そんな中、エジプトで調査を行っているチームが当時の工事の様子を記した書類を調査したところ、ピラミッドに使われた石を遠く離れた石切場から切り出して船に乗せ、なんとナイル川を利用して人工の運河を建設し、ピラミッド近くまで運んでいたと記されていることがわかっています。

Egypt's Great Pyramid: The New Evidence - All 4

http://www.channel4.com/programmes/egypts-great-pyramid-the-new-evidence

Who Built Ancient Egypt’s Great Pyramid? Hidden Text Holds Clues to Thousand-Year-Old Mystery

http://www.newsweek.com/who-built-ancient-egypts-great-pyramid-hidden-text-holds-clues-thousand-year-670265

この記録は、ピラミッドの建設当時に石の運搬を行っていたチームをまとめていた「メレル」という名の男性がパピルスに記していたもので、ピラミッドのあるギザから約200km離れた港「ワディ・アル・ジェルフ」で発見されたとのこと。調査チームが「世界最古の現存するパピルスの一つ」というこの記録には、ギザのピラミッドからおよそ800kmも離れたルクソールから石を船に乗せ、ナイル川の流れにのせて下流のギザまで運び、さらにピラミッド建設地点の近くにまで延長した運河を使って運搬していたことが記されているとのこと。



ピラミッド用の巨石の輸送計画は壮大なもので、大規模な土木工事を行ってナイル川の流れを一部変えることで、建設中のピラミッドのすぐ側まで輸送船が巨石を載せて到着できるようになっていたとのこと。当時の様子を再現したCGには、作られている途中のピラミッドの側に港が作られ、船が入れるようになっている風景が描かれています。



メレルのパピルスはピラミッドの謎を解き明かそうとしている人の間ではよく知られているもので、当時の記録を残す貴重な文献として解読と分析が行われてきたとのこと。このパピルスとは別に、クフ王のピラミッドの側で発見された祭事用の船と水路の跡、そして当時の船の作り方を示す証拠が発見されたことが全て合わさり、科学者にあるひらめきを与えることになったそうです。



ピラミッドに埋葬されていた、クフ王が死後に乗って指揮をとるためとされる船の残骸。調査チームはこの残骸を3Dレーザースキャナーで形状を採取し、当時の船の構造を調査しました。



調査チームは、実際に当時の船を再現して石を運ぶ再現実験を行っています。発掘された船の残骸や、別の場所で発見された船の作り方を示す記録によると、長さ8メートルほどの船は釘を一切使わず、長さおよそ5kmにも及ぶロープで船体の全てのパーツをつなぎ合わせる工法が取られていたようで、チームでは当時の作り方をそのまま再現しています。



建造は困難の連続で、水が船の中に入るなどさまざまな問題に直面。しかし、約2トンの巨石を運べるだけの強度が備わっていることが確認されています。



その方法で巨石の輸送に成功した調査チーム。ピラミッドの側まで石を運び込み、加工を行えることを確認。



このようにして運ばれた石を積み上げ、ピラミッドが作られて行きました。とはいえ、約2トンの石をどのようにして積み上げていったのか、その方法は今もって謎のまま。一説によると、ピラミッドの横に土で巨大なスロープを作って多くの人の力で運び上げたとも言われていますが、その証拠となるものはまだ発見されていません。



このような大規模な土木工事によって作られたピラミッドは、単なる王墓の建設プロジェクトに留まらず、エジプトという都市そのものを形成する建築技術の基礎になったとも考えられています。