フロンターレ戦は悔しい結果に終わった杉本だけど、FWとしてのスペックの高さは間違いない。良い意味で“日本人っぽくない”と思う。写真:田中研治

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[J1リーグ28節]川崎5-1C大阪/9月30日/等々力
 
 首位アントラーズを追撃するチーム同士の好カード、2位のフロンターレと4位のセレッソの一戦は、フロンターレが5点を奪取する予想外の結果になったね。
 
 フロンターレの良さが際立つゲームだった。一方、セレッソはこれで痛恨の3連敗となったけど、周りが言うほど、僕はセレッソがそこまで悪いゲームをしていたとは思えない。
 
 たしかに、左右に振られた時に、中の対応がルーズになるという課題はある。それが前節のベガルタ戦(1-4で敗戦)に続く大量失点の原因なんだろうけど、ただ前線は個々の選手のレベルが高いし、フロンターレ戦も、数は少なかったとはいえ、チャンスを決めきれていれば、という内容だった。
 
 特に目を引いたのが、日本代表にも定着しつつあるCFの杉本だ。
 
 彼のプレーを見ていて、まず頭に浮かんだのが、ヨーロッパの選手みたいというか、誤解を恐れずに言えば、ある意味、日本人っぽくない、ということ。187センチの高身長はもちろん、独特のテンポがあって、どんな場面でも慌てないし、余裕がある。自分が自由にできる間合いもちゃんと分かっているんだろうね。
 
 ボールの引き出し方、くさびの受け方も上手い。相手を背負っていても、スッと動いて間に顔を出す。そのポジショニングは絶妙だった。
 
 ポストプレーも、無駄なことはしない。シンプルに、効率良く味方に落として、攻撃に厚みをもたらす。現役時代は中盤でプレーしていた僕が思うに、前に杉本がいれば、攻撃を組み立てるにしても味方は相当楽なんじゃないかな。
 
 フィニッシュの場面では、相手にとって一番怖いところに入ってくるよね。エアバトルは強いし、その高さをダミーにすれば、他の選手がフリーになれる。
 
 FWとしてのスペックは間違いなく高い。フロンターレ戦は残念ながらノーゴールに終わったけど、杉本はここまで16ゴールを決めて、得点ランクでは2位につけている。元々、ポテンシャルを秘めた選手だと思っていたけど、今シーズンは結果も出して、本人も確かな手応えと自信を掴んでいるはず。本格的にブレイクしているよね。

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 そんな杉本は、周知のとおり、ニュージーランド、ハイチと戦う日本代表の10月シリーズに選ばれている。
 
 先日のワールドカップ最終予選のラスト、敵地でのサウジアラビア戦で途中出場から代表デビューを飾ったけど、国際舞台でもっと見てみたいよね。
 
 代表戦は、よりマンツーマン気味に相手が守ってくる傾向があり、球際も激しくなるけど、そこでJリーグで見せているようなプレーを披露できるのか。
 
 今のJリーグでは、杉本のほか、アントラーズの金崎、レッズの興梠と、この3人がFWの“トップ3”だと考えている。そのなかでも、頭ひとつ抜けている感があり、スケールの大きなセレッソのエースは、クラブと代表での実戦を積み重ねて、どこまでステップアップできるか。
 
 ハリルジャパンの前線の核である大迫と切磋琢磨できるようなライバル関係が築ければ、日本代表もさらに強くなるだろうね。それだけに、杉本のさらなる奮起を期待したい。