普通の男性ならめったに知り合えない超高収入女性の実態に迫る(写真:progressman / PIXTA)

東京都港区で一人暮らしをする藤沢慶子さん(仮名)。外資系金融機関の営業ウーマンとして活躍する、30代半ばの女性だ。往年の松田聖子を彷彿とさせるルックス。彼女は年によって多少のばらつきはあるものの安定的に年収3000万〜5000万円を稼ぐスーパーキャリアウーマンである。

今は企業経営者として辣腕を振るう本間晴恵さん(仮名)。やはり東京都港区に住む年齢40代後半の本間さんは、数年前までは外資系証券会社の幹部として活躍していた。当時の年収は5000万円をはるかに超え、億の単位にまで近づくこともあったという。

0.9%のスーパーキャリアウーマンの恋愛事情とは?

全サラリーマンの平均年収が400万円台のこの時代である。男性でも年収1000万円を稼ぐのはかなりの努力を必要とする。女性であればそれを達成するのは男性以上に困難なことだ。

国税庁が発表している2016年分の民間給与実態統計調査によると、年収1000万円超の女性の人数は19万2000人。調査対象となる女性の0.9%である。年収2500万円超に限ると、その人数はたった9000人、割合はわずか0.04%にすぎない。これ以上のデータはないが、年収5000万円クラスになると、さらに割合は低いとみられる。

このように、経済的な側面からは大成功を収めているスーパーキャリアウーマンであるが、こと結婚となると晩婚だったり、独身を貫いていたりする女性は少なくない。藤沢さんは現在、未婚で独身。本間さんが結婚したのは40代に入ってからだった。

あなたの周りにいるキャリアウーマンでも、外見はきれいな美女であるにもかかわらず、30代後半あるいは40代に入っても結婚もせずに仕事に明け暮れている女性が1人や2人頭の中に思い浮かぶのではないだろうか。

そもそも、彼女たちはなぜどのようにしておカネを稼ぐキャリアウーマンに変貌したのか。そして大金を手にした彼女たちは何を考えて仕事に邁進し、恋愛に取り組んでいるのか。「稼ぎのいい男性と結婚したい」。それは世の多くの女性が願う恋愛のテーマだ。しかし、自らが「稼ぐ女」となった場合、彼女らの恋愛の主題はどう変わっていくのだろうか。

20年間にわたり2000回以上の合コンに参加した日本で唯一の「プロ合コンコーチ」である筆者は、外資系証券会社に17年勤務していた経験もあり、同僚女性の多くは年収数千万円を稼ぐ超高収入のスーパーウーマンであった。そんな筆者が、その中でも年収5000万円を稼ぐ経験を持つスーパーキャリアウーマンのキャリア形成や恋愛事情を追ってみた。

「年収5000万円女子」は意識高い系の女性なのか?

そもそも藤沢さんや本間さんのような「年収5000万円女子」は、どのようにしてその地位を築いていくのであろうか。さぞかし幼少の頃より頭脳明晰で頭角を現し、学生の頃から「仕事で男には負けないわよ」と意気込む意識高い系の女性をイメージするかもしれない。

しかし、意外にもそのように当初からバリバリ働くことを意識して社会人になったケースは少ない。むしろ、彼女たちは2〜3年働いた後に「結婚」退職を視野に入れる、腰掛け的な意識しかない新入社員だった。

まずは藤沢さんだ。現職とは別の外資系金融機関で社会人キャリアをスタートさせた藤沢さんであったが、その会社を志望したきっかけは学生時代の交流関係にあった。社会人男性との交流が盛んだった藤沢さんは、いわゆる太っ腹で「羽振りのいい」男性の職業にある共通点があることに気づく。そうした男性の勤務先の多くは外資系金融機関だった。

実家が裕福だったこともあって生活レベルを下げることが嫌だった藤沢さんは、年収1000万円以上稼ぐ男性との結婚を夢見ていた。その夢を実現させるには、そうした男性と同僚になることがいちばんの近道と信じ、外資系金融機関を志望し見事入社を果たした。

つまり、藤沢さんは自らがキャリアウーマンになることは考えず、いい結婚相手を見つけるために大学を卒業して就職したのだ。入社当初は2年程度で結婚して寿退職することを考えていたという。

一方の本間さん。元来が東大や京大卒の超エリートかというとそうではない。もともとは、都内のお嬢様短大を卒業して当時の都市銀行の一般職として就職した。いわゆるOLだった。

当時は銀行よりも航空会社のキャビンアテンダントになりたかったという本間さんは、とにかくミーハーでブランド志向が強かった。「海外で働く男が格好いい」という価値観を持っていた本間さんは、当時破竹の勢いで海外進出を図っていた邦銀勤務の男性と結婚することをもくろみ、都市銀行に入行した。

このように、本間さんもまた当初からキャリアウーマン志向があったわけではなく、藤沢さんと同様、結婚相手を求めて腰掛け的に会社に就職した女性にすぎなかった。

飛躍のきっかけは転職

では、当初結婚目当てで就職した女性がどのように「稼ぐ女性」に変貌していくのか。そのきっかけは「転職」である。

藤沢さんの場合、1社目の外資系金融機関に数年勤務した後、別の同業他社に転職したが、これが奏功した。転職し、営業ウーマンだった藤沢さんの取扱商品や担当顧客層が大きく変化したが、これが吉と出た。また、新しい職場で構築した人間関係や、フレックス出社ができる勤務形態への変化も、藤沢さんにとってより居心地のよい環境となった。

何より、報酬体系がより歩合の色合いが強いものに変わったことの影響が大きかった。より働きやすい環境を得て営業成績を飛躍的に伸ばす藤沢さんの年収を大きく押し上げる効果をもたらした。

本間さんの場合も、飛躍のきっかけは転職だった。都銀に勤務して5年ほど経ったとき、たまたま友人が勤務する外資系証券会社で事務職の求人があった。その友人から声をかけられて面接に臨んだ本間さんはすぐに合格の通知をもらう。せっかくの機会だからと本間さんは新たな職場への挑戦を決意する。

事務職として新職場での丁寧な勤務ぶりが上司の目にとまって、転職から3年ほどしたある日、本間さんは営業職への転身を打診される。社会人になって以来事務職しかしたことのなかった本間さんにとって大きな環境変化であったが、本間さんはここでも新たなチャレンジに身を置くことを選択した。

外資系証券の営業職といえば、成績が悪ければクビも当たり前、逆に好成績を収められれば何千万円もの収入を得られるプロ野球選手にも似た報酬体系の世界である。こうして、本間さんは20代後半にして、大金を稼ぐステージへ身を投じた。

営業職へ転身したといっても、それは大金を稼ぐための機会を得たにすぎない。そこで所属企業が求める成果を出し続けていかないと、容赦なく淘汰される厳しい世界である。そうした世界で生き残るには、もちろん血のにじむような努力が必要となる。そうした努力を続けるには何が必要かというと、それは強い「モチベーション」だ。

藤沢さんの場合、幼少よりリッチな生活を送っていたこともあって、生活レベルを下げることだけは絶対に避けたかった。女性なら誰でもあこがれるであろうブランドもののバッグや洋服やアクセサリー、それに食べたいときに好きなだけ食すことができるおいしい食事を得られない生活は、彼女の人生にはありえないことだった。端的に言えば、豊かな生活を継続して送るための強い物欲が、藤沢さんを仕事に駆り立てる原動力になった。

一方、20代後半で事務職から営業職に転じた本間さんの場合、彼女を突き動かしたのはすさまじいまでの「劣等感」だった。というのも、外資系証券の営業職といえば、東大京大卒が当たり前の超エリートぞろいの世界。彼らと同じ土俵に上った本間さんは、短大卒である自身の身の上とエリートの大きすぎる差異につねに悩まされることになった。

その差を埋めたい一心で努力を積み重ねる本間さんは、いつしか優秀な成績を収める優秀な営業ウーマンへと成長していった。そして、営業職に転身してから十数年後、本間さんが所属する外資系証券会社の幹部社員となるまで、その劣等感が消失することはなかった。

しかし、ここで1つ疑問が残る。彼女たちは社会人として数年働いた後にすぐ結婚して寿退社する青写真を描いていた。しかし、現実にはそうなることはなかった。それはなぜなのであろうか。

変化は恋愛観にも大きな影響を及ぼした

実は、それは彼女たちの勤務環境や年収が変化するにつれて、恋愛観にも大きな影響を及ぼしてきたからだ。端的に言えば、彼女たちが「稼ぐ女」に進化したことによって、恋愛や結婚の対象として男性に求める「条件」もまた同様に進化していった。

働く女性の年収が大きく上昇するとき、男性を選ぶときの観点は3つのステップで変化する。それをキーワードで表すと、

1 スペック

2 権威

3 自分軸

となる。

まず第1のステップは、「スペック」である。これは、たとえば、「経済力がある」とか「海外勤務がある」といった、世の多くの女性が男性に対して持つ一般的かつ普遍的な願望である。

藤沢さんや本間さんも社会人になりたての頃は、「年収1000万円以上の男性と一緒になりたい」とか「ニューヨークでの駐在員夫人として生活したい」といった結婚願望を持っていた。ゆえに、その条件を満たす男性を血眼になって探していた。しかし、彼女たち自身の年収が1000万円を超えると、そうした男性を探す必要性はしだいに薄れていく。自分で稼ぐほうが手っ取り早いと気づいてしまったからだ。

さらに年収が2000万円を超えてくると、もはや世の中に存在するほとんどの男性が自分より稼いでいない男になってくる。自分より稼ぎの低い世の多くの男性に対して、男性的な強さを感じにくくなってくるのは想像に難くない。そうした状況になったとき、女性が男性に何を求めるかというと「権威」である。超高収入女性が男性を選ぶ条件の第2ステップだ。

権威の象徴として真っ先に挙げられるのが、権力だ。具体的には、政治家の卵などが好例であろう。ほかには、家柄も代表的な権威の1つだ。代々続く老舗企業の御曹司や大企業創業家の息子などに代表される良家の坊ちゃんをイメージするとわかりやすい。

本間さんも、年収が2000万円を超えた頃から、慶應幼稚舎卒の名家のグループの男性たちと仲良くするなど、恋愛で権威を手に入れるべく人間関係の構築に力を入れていた。実際に強く結婚を意識した男性もいたというが、ゴールインまでには至らなかった。

その理由を尋ねると、「やっぱり、相手の男性を尊敬してなかったからかしら。あと、いい自分を見せちゃおうと無理しちゃう。私は自分の劣等感を埋めるために家柄が欲しかったのですが、相手も馬鹿じゃないから、それを見透かされていたのかもしれません」(本間さん)と屈託のない笑顔でほほ笑んだ。

結果、どのような男性を選ぶのか?

そうした権威を恋愛で手に入れることをあきらめたとき、「年収5000万円女子」はどのような男性を選ぶのであろうか。

40歳を超えてから幸せな結婚をした本間さんだが、その男性との結婚を決意した決め手は、彼の生き方に感銘を受けたからであった。当時、本間さんは超高額のおカネを稼いではいたものの、会社員として勤務することの限界を感じていた。

本間さんの夫は、会社の看板に頼らず自らの力量で世に価値を提供し、自分の考え方を貫き、他人の意見に惑わされない、ぶれない生き方をしている企業経営者であった。そんな生き方をしている男性こそ、どんな逆境もはね返せる本当の強さを持った男であることに、本間さんは気づいた。

30代で未婚の藤沢さんに、好みのタイプの男性を聞いてみると、「ある程度の経済力や基本的なレディファーストのマナーは持っていてほしいです。あとはやっぱりプラス思考の人。人の悪口ばかり言ったり、会社の愚痴をこぼしてばかりの男性はNGです。自分の仕事には誇りを持って取り組んでいてほしいです。好きな趣味や食べ物をしっかりと持っていて、それが私と合うなら最高ですね」といった回答が返ってきた。

「年収5000万円女子」が最後に行きつく先は、自分の価値観を定めて力強く生きている「自分軸」を持った男性だ。超高収入女性が恋愛対象として男性を選ぶ際、最後に重視する3つ目の条件こそ、こうした自分軸を持った男性だ。

年収5000万円女子。見たこともない大金を稼ぐ希少な女性である。しかし、ここで見たように、結婚においては意外にも回り道をしている。大金を手にした彼女たちが最後にたどりつく男性こそ、おカネでは手に入れられない「究極の男性」といえる。