バイエルン戦で異彩を放った原口。指揮官、SD、そして地元紙からも高い評価を得た。(C)Getty Images

写真拡大

 原口元気にとっては、シーズンの流れをも変えるビッグプレーとなった。
 
 日曜日に開催されたブンデスリーガ7節、ヘルタ・ベルリン対バイエルン・ミュンヘン戦。0-2とリードされたホームのヘルタは、今季初先発の日本代表ウインガーがスタンドに熱狂を運ぶ。51分、左サイドから中央へ切れ込むと、ジェローム・ボアテング、ヨシュア・キミッヒ、そしてマッツ・フンメルスのドイツ代表トリオを巧みなステップで交わし、フリーのオンドレイ・ドゥダに絶妙なパス。これをスロバキア代表MFが決めて1点差とすると、ヘルタはその5分後にもゴールを挙げ、2-2で試合を終えた。
 
 国内メディアはこぞって原口のスーパープレーを取り上げ、「リオネル・メッシのようだ」「バイエルン守備陣をコケにした」などと称えた。とりわけ、プレシーズンからの不遇ぶりを見てきたベルリンの地元紙『BZ』は、一歩踏み込んだオピニオンを掲載している。
 
「昨シーズンに他クラブへの移籍を願ったものの破談。ヘルタが出した契約延長オファーを蹴る格好となり、クラブとハラグチの関係はこじれた。だがもうそれは終わったストーリーだ。彼は先発の座を掴み、しっかり存在を示し、結果を出した。流石である。もしこのパフォーマンスを続けられるなら、ヘルタは新契約を提示すべきだ(現行契約は2018年6月まで)。ウインターブレイクまでになんとかしなければ、後悔することになるだろう」
 
 指揮官のパル・ダルダイも「サポーターの間で長く語り継がれるゴールだ。ゲンキのお膳立てはワールドクラスだった」と激賞。「今日はフレッシュなウイングを入れようと思って起用したが、見事信頼に応えてくれた」と付け加えた。
 
 原口自身は試合後、「正直この2、3週間は少しフラストレーションが溜まる毎日だったけど、それをポジティブなエネルギーに変えることができた」と語った。バイエルン戦の前まで公式戦6試合に出場したが、すべて後半途中からで、最長のプレー時間が32分間という状況。ゴールに絡んだのは昨シーズンの19節、インゴルシュタット戦(今年2月4日)以来だ。
 
 冬に延長交渉が決裂して以降、どこか原口に対して冷ややかだったスポーツディレクターのミヒャエル・プレーツも、興奮を隠せない。敏腕SDは「勝利に限りなく近いドローだ。ゲンキの奮闘には心底から感謝したい」と語り、「あのドリブル突破は素晴らしかったね。実にゲンキらしいプレーだった。これからが楽しみだ」と賛辞を送った。
 
 ダルダイ監督は「代表ウイークでさらにコンディションを上げて戻ってきてほしい」と期待を込める。逆境をパワーに変えて、周囲の評価を一変させた原口。悪しき流れをみずからのスーパープレーで断ち切り、意気揚々と帰国の途に就いた。