以前掲載の「東芝は米国にハメられた。原発買収で起きていた不可解なやり口」で、東芝が米国の国家ぐるみの策略にはまり、莫大な損失を出すに至った経緯を紹介した、メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』の著者で元国税調査官の大村さん。なぜ米国は東芝の原発事業参入を阻止しようとしたのでしょうか? そこには「軍事的理由」が隠されているようです。

世界は日本の原子力技術を恐れている

このメルマガの6月15日号では、東芝はアメリカに嵌められたということをご紹介しました。

東芝がアメリカの原子力事業に参入してきたときに、アメリカがあの手この手で東芝に不利な契約を結ばせ、その結果、東芝が大損したと。

アメリカが、東芝を嵌めたのは、ビジネス的な狡猾さ以外にももう一つ理由があります。

それは、アメリカは、東芝の原子力事業に関して決して快く思っていなかったということです。

というのも、東芝は、一時、Wアメリカの新規原子力発電所の建設をほぼ独占する状態になっていたのです。

東芝としては、アメリカの原発ビジネスを独占することで、アメリカの原発ビジネスでの収益をすべて持っていける、という目論見があったはずです。

でも、このこと自体に非常に無理があったのです。

なぜなら、「東芝がアメリカの原子力分野を独占する」というような事態を、アメリカがそうそう許すはずはないからです。

原子力分野というのは、ただのエネルギー分野ではありません。

軍事力に直結する分野です。

アメリカは、その巨大な軍事力により、世界の超大国の地位に座り続けているのです。だから、軍事力を脅かされることには、非常に敏感なのです。

ほとんどの日本人は、軍事力でアメリカを脅かすつもりなど、まったく論外のことだと思っているはずです。大半の日本人は、日本は平和国家であり他国を脅かす軍事力を持つことなど想像さえしていません。

が、他国はそうは思っていません。

というのも、日本のテクノロジーが、世界最高水準にあることは、世界中の人々が知っています。

そして、そのテクノロジーは、いつでも軍事に応用ができるのです。

他国は、日本がそういう方向に走る可能性をゼロだとは思っていないのです。むしろ、そういう可能性を危惧している国も多いのです。

たとえば、日本が人工衛星の打ち上げに成功したりすると、中国ではたびたびそれをニュースとして取り上げます。

日本よりも中国での方が、報道される機会が多いほどです。

なぜ中国がそれほど大々的に報道するかというと、中国は、日本の人工衛星を単なる「宇宙開発」のものとは見ていないからです。

人工衛星の技術というのは、ミサイルの技術をほぼ同じです。

人工衛星において、世界最高水準の技術を持っている日本は、つまりは世界最高水準のミサイル技術を持っているのと同じなのです。

北朝鮮が大陸間弾道弾(ICBM)の開発に成功したかどうかで、日本は大騒ぎしていますが、日本は実は大陸間弾道弾(ICBM)など簡単に作れるだけの技術を持っているのです。中国やロシアが、北朝鮮の核開発についてそれほど驚いた様子を見せないのは、かなり前から日本は同等の技術を持っているからです。

しかも、日本は原子力の分野でも、世界最高水準なのです。

原子力というのは、核エネルギーの一つであり、原子力の技術とはすなわち核技術です。昨今、日本では、「原子力」と「核」を分けて言い表す傾向がありますが、そもそもは、原子力と核とほぼ同意義語なのです。

日本は、核ミサイルこそ作っていませんが、「核」も「ミサイル」も最高の技術を持っています。これは、世界の国から見れば、脅威でないはずはないのです。

たとえば、中国のネットメディア「今日頭条」では、2017年1月26日に、日本のロケット兵器に関する技術は「決して軽視することができない」という記事を載せています。

この記事では、

日本は液体燃料のロケットで重さ10トンの人工衛星を高度300キロメートルまで優に打ち上げることができ、その技術を弾道ミサイルに転用した場合に、世界のあらゆる場所を狙うことが可能であることを意味する。

 

日本は決意さえすれば、いつでも大陸間弾道ミサイルを開発できる。日本は6カ月もあれば核弾頭を製造できる能力があるとの分析がある。日本は核弾頭を製造するうえで必要になるウランやプルトニウムも国内に保有している。

と述べられています。

また軍事偵察衛星の分野でも日本は世界最高水準にあります。

軍事偵察衛星は、世界中で10数か国しか打ち上げていませんが、日本はその中に入っているのです。日本の軍事偵察衛星は、表向きは「情報収集衛星」とされていますが、事実上、軍事衛星の機能を果たしているとされています。

そして、日本の「情報収集衛星」アメリカに次ぐ情報収集能力を持っているとされているのです。

このような日本の軍事力が、世界の国々(特に中国や韓国、北朝鮮)にとって脅威でないはずはありません。

第二次世界大戦前までの日本は、強力な軍事国家だったのです。

一時は、たった一国で東南アジアから欧米の軍を駆逐するほどの戦争強国でもあったのです。

「日本が、また軍事国家となったなら、恐るべき核兵器大国になる」

世界中はそう見ています。日本人の多くは日本が軍事国家になるはずなどないと信じていますが、世界の人々の見方はそれとはまったく違うのです。

筆者はこれがいいことか悪いことかを論じているわけではありません。「世界は日本をこういうふうに見ている、それを知らなければ、日本は世界情勢を見誤る」ということを述べたいだけです。

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出典元:まぐまぐニュース!