香川真司、武藤嘉紀、原口元気……日本人選手が活躍したブンデスリーガ第7節。ケルンの大迫勇也もライプツィヒ戦で1ゴールを挙げた。リーグ戦、カップ戦、ヨーロッパリーグ(EL)、すべてを通して今季初となる待望のゴールだった。


ライプツィヒ戦に先発、今季初ゴールを決めた大迫勇也(ケルン)

 0-2とリードを許した82分。ケルンは右サイドバックからのフリーキックの長いボールが、途中出場のクラウディオ・ピサーロを経由して左サイドのティム・ハンドヴェルカーに渡る。ハンドヴェルカーは相手の右サイドバックを抜き切らずにクロスを上げ、ファーポストに走り込んだ大迫が頭で決めた。

 大迫は勢いあまってそのままポストにぶつかった。「いろんなとこを打ったのでわからないです」と身体ごとぶつかった痛みに顔をしかめながら、また自陣へ戻っていった。

 大迫は得点したものの、試合は1-2でケルンが敗れている。

「負けたので意味ないですけど、今日はたくさんチャンスがあったので、しっかり決めるべきところを決めなければいけないなと思います」

 短い言葉に悔しさが詰まっていた。それも当然だろう。ケルンは今季、開幕から5連敗の後、1引き分けを挟んで、また敗戦となった。

 リーグ戦では勝ち点1で最下位。17位ブレーメンが勝ち点4、16位ハンブルガーSVは勝ち点7なので、ひとつ勝てば状況は好転するはずだが、得失点差がマイナス13と群を抜いて悪い。この日の大迫の得点が今季チームとして2点目という惨状だ。

 念願だったELでも、アウェーのアーセナル戦で黒星スタートすると、3日前にはホームでレッドスター・ベオグラードにも敗れて2連敗。ちなみにそのレッドスター戦、出場予定のなかった大迫が投入された理由が「前半が酷すぎたから」というありさまだ。

 序盤戦のケルンは大迫を含めてケガ人が相次ぎ、現在も最終ラインの要となるべきヨナス・ヘクターが離脱中。右足首靭帯を負傷し、年内の復帰は厳しいと見られている。

 想定外だったのは、新加入のジョン・コルドバがなかなか機能しないことだ。昨季は全試合で先発し、25得点で得点王争いを演じたアントニー・モデストが中国に移籍。そのモデストの穴を埋めるべくマインツからきたコルドバだった。とはいえモデストとコルドバはタイプが異なる。コルドバは昨季5得点。モデストとは比べるべくもないし、むしろ大迫は2トップを組むパートナーとしてのコルドバに「モデストよりも、自分を使ってくれそう」と期待を寄せていた。

 しかしコルドバ自身が結果を出せない焦りからか独りよがりなプレーに終始し、大迫のチャンスは増えなかった。結局、大迫は中盤もこなしながら、前線でも汗をかく役回りをこなさざるをえなかった。

 ケルンはレッドスター戦の翌日、無所属だったピサーロを獲得した。得点力をもたらすための即戦力としての補強である。ライプツィヒ戦でベンチスタートだったピサーロの出番は象徴的な形でやってきた。54分、コルドバがドリブルの最中に太もも裏の肉離れで倒れ込み、交代を要請。そこで投入されたのがピサーロだった。場内は盛大な拍手とヒステリックなまでのピサーロコールに包まれる。コルドバにとってはつらすぎる交代シーンだった。

 バイエルンで数々のタイトルを獲得してきたピサーロの存在感はやはり際立っていた。前線に立つだけで相手のセンターバック2枚が常に気にすることになるので、誰かしらのマークが甘くなる。引いてきて組み立てにも参加し、チームメイトにとっては前線のよりどころになる。その結果、貴重な今季2ゴール目が決まったわけだ。

「すごく(ボールが)収まる選手だなと思った。まだまだ(コンビネーションは)どうなるかわからないですけど」と、大迫はピサーロの印象を語り、こう続けた。

「ほんとにみんなで歯を食いしばってやるしかないと思います」

 ピサーロという大物が加入したことで、チーム作りのうえでも前線のコンビネーション醸成のうえでも、このインターナショナルマッチウィークは重要なものになる。

「チームがこういう状況なので、出ていくのは本当にチームには申し訳ないですけど、(代表で)試合をする以上は、しっかりとした気持ちとコンディションで臨みたいと思います」

 いつもの大迫であれば、代表に合流する晴れがましさを感じさせてくれるのだが、このときは複雑な表情にも見えた。傍から見ると、すでに日本代表はW杯出場を決めており、親善試合のために合流する必要があるのだろうかと思ってしまうが、その点に関しては大迫に選択権はない。クラブと代表の関係についても、あらためて考えさせられたケルンの現状である。

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