17-18スペイン1部リーグ第7節、FCバルセロナ対ラス・パルマス。無観客で行われた試合の様子(2017年10月1日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

写真拡大

【AFP=時事】17-18スペイン1部リーグは1日、第7節の試合が行われ、FCバルセロナ(FC Barcelona)は3-0でラス・パルマス(UD Las Palmas)に勝利。カタルーニャ(Catalonia)独立の是非を問う住民投票の当日に行われた試合は、クラブの延期要請をリーグが却下したことを受けて、無観客で行われた。ジェラール・ピケ(Gerard Pique)は試合後、涙を流しながら「プロとして人生最悪の経験だった」と話した。

 この日の州内は緊張した雰囲気に包まれ、スペイン政府が投票を違法とみなす中、警察の機動隊がゴム弾を発射し、独立賛成派が占拠する投票所に突入したことで多数の負傷者が出た。バルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ(Josep Maria Bartomeu)会長は、安全面を考慮したというよりは警察と市民の衝突に抗議する意味で、収容人数9万9000人のカンプ・ノウ(Camp Nou)での試合を無観客で開催することを決断した。

 クラブは「本日カタルーニャの各所で起こっている、表現の自由という市民の民主主義的な権利を阻害する出来事を非難する」と声明を発表。あわせて会長が「今起こっていることへのわれわれの抗議の意思がすべての人に伝わるよう、無観客とすることを決めた」と話した。

 スタジアムの外では、多くのファンが長蛇の列をつくって何時間も待っていたが、最終的にキックオフの30分前に無観客の決断が下された。広報によればチケットはすべて払い戻されるという。また試合では、忍び込んでいたファンがバルセロナの2得点目の直後にピッチに乱入する場面もあったが、すぐにスタッフによって連れ出された。

 バルセロナはもともと試合の延期を求めていたが、リーグ側はこれを却下し、声明で「試合を中止する動機はどこにもない。ラ・リーガは試合の中止と別日程での開催を却下する。延期すれば、当該チームは勝ち点6を失うことになる」とコメントすると、1日に試合を行わなければラス・パルマス戦を試合放棄とみなした上、バルセロナに勝ち点3はく奪の処分を下す可能性を示唆していた。

 カタルーニャ出身のセルジオ・ブスケッツ(Sergio Busquets)は、beINスポーツ(beIN Sports Spain)で「異様だった。まったく好きになれない。状況は把握していた。クラブも(試合放棄を)検討はしたけれど、スポーツ面で代償が大きいと判断したんだと思う」と話した。

 スペインメディアの報道によると、試合を開催するというクラブの決断を受けて、カルレス・ヴィラルビー(Carles Vilarrubi)副会長が辞任したという。一部のファンも、試合が延期にならなかった場合はピッチへ平和的に進入し、投票所での衝突に抗議の意を示すと警告していた。

■バルサのレジェンドからも怒りの声

 クラブは以前から独立の賛否について姿勢を明確にはしていなかったものの、独立の是非を問う投票については支持を表明してきた。前週には「国家と民主主義、言論の自由、自決を守ろうとした」カタルーニャ州政府の関係者が逮捕されたことを非難すると、強い口調の声明文を発表した。

 これまでも独立について率直な意見を口にしてきたピケは、1日に投票を行う自身の写真をSNSに投稿し、「投票してきたよ。みんなで力を合わせれば、僕らが民主主義を守ることは誰にも止められない」と書き込んだ。

 バルセロナのレジェンドで、現在はカタールのアル・サード(Al-Sadd)でプレーするシャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)もインターネットに動画を投稿し、警察による投票の妨害を「恥ずべきこと。民主主義国で国民が投票できないなど受け入れられない」と述べた。

 チームの主将を務めたカルレス・プジョル(Carles Puyol)氏も投票を支持する姿勢を示し、ツイッターに「投票に行くのは民主主義だ!」と書き込んでいた。

■試合はバルサが勝利

 試合自体は、当然と言うべきか盛り上がりを欠いたものの、勝利したバルセロナが2位と勝ち点5差、レアル・マドリード(Real Madrid)と同7差の首位を守った。

 バルセロナの選手たちは、普段の青とえんじのユニホームの上に、カタルーニャの旗の色のウエアをまとって入場。一方でラス・パルマスの選手は、スペイン国旗が小さく入ったユニホームを身に着け、統一スペインへの支持を示した。

 迎えた前半は、ピッチ外の出来事がバルセロナの選手たちに影響を与えていたように見え、ラス・パルマスのホナタン・カジェリ(Jonathan Calleri)に先制点のチャンスが訪れたものの、シュートはポストをたたいた。

 それでもバルセロナは、後半早くにリオネル・メッシ(Lionel Messi)のCKからブスケッツが頭で先制点を挙げてチームを落ち着かせると、デニス・スアレス(Denis Suarez)の絶好のパスからメッシが落ち着いて追加点を奪い、さらにはルイス・スアレス(Luis Suarez)のスルーパスからメッシが今季早くも14得点目を決めて突き放した。
【翻訳編集】AFPBB News