どれだけ笑顔で戻れるか(写真:時事通信フォト)

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「希望というのはいい響きだと思います。小池知事とは、安全保障、基本的な理念は同じだろうと思います」──安倍首相は解散表明会見(9月25日)で小池新党「希望の党」に余裕たっぷりのエールを送ったが、その2日後の解散前日、青ざめることになった。

「百合子にやられた!」

 自民党の首脳部はそれだけ語って絶句した。前原誠司・民進党代表が同党からは小選挙区にも比例代表にも候補者を立てない方針を決め、所属議員に「希望の党の公認をもらってほしい」と伝えたからだ。野党第一党の事実上の解党、希望の党への合流だった。

 その一報が流れると、自民党選対本部には選挙区に戻っていた議員たちから怯えた声で電話が殺到した。

「どうしたらいいのか?」
「わからない。とにかく選挙区を回れ」

 選対スタッフたちはそう答えるのが精一杯だった。自民党選対幹部の1人が思わず漏らした言葉が、戦況が一変したことを端的に語っていた。

「パールハーバーだと思って浮かれていたら違った。これはもうミッドウェーだ」

 野党の準備不足を衝き、臨時国会冒頭解散という奇襲戦術に打って出た安倍首相だが、皮肉にもその戦術が“迷える野党”を小池新党に走らせるという展開になった。

「総理は調子に乗って前原を追い詰めすぎた。引くに引けなくなった前原を玉砕攻撃に転じさせてしまった」(同前)
 
※週刊ポスト2017年10月13・20日号