川崎戦では5失点。リーグ終盤にきてチームは失速している。写真:田中研治

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[J1リーグ28節]川崎5-1C大阪/9月30日/等々力
 
 今季の前半戦、一時は首位に立つなど躍進を遂げたC大阪がまさかの失速を見せている。前節は仙台に1-4で敗れると、2位の川崎との一戦でも守備が崩壊して1-5の完敗。リーグ戦3連敗となった。
 
「今日も多くのサポーターが応援してくれたなか、3連敗をしてしまい申し訳ないです。サッカーをやっていて、こういうことは起こり得るものですが、メンタル面を引き締める必要があります」
 
 こう試合を振り返るのはユン・ジョンファン監督だ。「今はメンタル面が弱くなりやすい時期」と分析した指揮官は、川崎戦では中盤のダイナモであるソウザをベンチに置き、成長著しい秋山大地を先発に抜擢する“荒治療”を施したが、結果には結びつかなかった。
 
 なにより「上を目指すにはハードワークが必要ですが、その部分が上手くできていません」(ユン・ジョンファン監督)と、強みであったはずの運動量を活かしたプレッシングは鳴りを潜め、68分に柿谷曜一朗が1点を返したものの、チグハグなパフォーマンスに終始した。川崎戦で79分からピッチに立った清武弘嗣もチームの現状をこう説明する。
 
「今季のセレッソが良かった時はブロックを作って守り、カウンターで攻められた。逆にカウンターがハマれば相手がブロックを作ってくれるのでボールを握れた。でも、この3試合は上手くいってない。(自分たちのサッカーを)見つめ直したい」
 
 では、なぜ自分たちのサッカーを上手く表現できなくなったのか。川崎戦では累積警告で出場停止だった丸橋祐介に代わり、左SBを務めた田中裕介は選手間の考えのズレを指摘する。
 
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「11人でハードワークをするのがうちのサッカーで、これまでは気を利かせて攻撃的な選手が守備をするとか、守備の選手が攻撃に行くとか、そういうところで勝点を拾ってきました。でも、そういうところを人任せ、自分のポジションじゃないとやり始めてしまうと、このレベルの相手を防げなくなる。結局、川崎はDFの選手が2点取っていますし、前線でハードワークして足を攣っていた選手もいました。そういうところが勝負の差に出たと思います。
 
 僕はルヴァン(カップ)のほうに多く出ていて、リーグ戦には久々に絡みましたが、同じチームではあるのに少し違いを感じました。チームとして機能しているのは明らかにルヴァン組ですし、それが結果にも現われています。そこはチームがどういう風に進んでいくのか、もう一度、やっている選手が感じなくてはいけないと思います。僕自身も発信しながらやっていかなくてはいけませんし、チームとして話し合いが必要です」
 
 今季のC大阪はリーグ戦とルヴァンカップで選手を入れ替え、同時に勝ち進んで来た。ルヴァンカップで初のベスト4に進出できたのは“サブ組”と言われた選手たちの奮闘が大きい。彼らは実直に指揮官のスタイルを体現し、結果を残した。

 一方、“リーグ戦組”には多くのタレントが集まり、爆発的な攻撃力を見せる試合があったが、大味な展開も夏場過ぎから増えるようになった。田中が川崎戦で感じたのはそのあたりの差だったのだろう。
 
 鳥栖時代から師弟関係を築き、ユン・ジョンファン監督のスタイルを熟知する水沼宏太も「人ではなく自分に矢印を向けてやっていかなくてはいけない」と警鐘を鳴らす。
 
 意識のズレや慢心――それが今のC大阪に蔓延る病巣と言えるのだろう。それはリーグ戦での予想以上の躍進やルヴァンカップ、天皇杯を含めた3冠を目指せる位置に立ったからこそ生じたように感じる。

 果たしてチームは問題を解決しつつ、以前のような勢いを取り戻せるのか。まずは大阪ダービーとなったルヴァンカップ準決勝で立て直しを図りたい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)