無観客試合のあと、苦しい胸の内を明かしたピケ。月曜日には相次ぐ批判のなか、スペイン代表合宿に合流する。(C)Getty Images

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 日曜日のバルセロナは、まさにカオスと化した。
 
 カタルーニャ州政府が独立の賛否を問う住民投票を断行するも、違憲として認めないスペイン政府が警察や特殊部隊を導入してこれを阻止。そこかしこでデモ隊などとの衝突が起こった。
 
 異例の事態となったのは、リーガ・エスパニョーラも同様だ。この日の夜にカンプ・ノウで開始されたバルセロナ対ラス・パルマスのゲームは無観客試合に。バルサ側がリーガ機構に延期を申し出たものの受け入れられず、抗議の意味も込めての処置となった。バルサがリオネル・メッシの2ゴール・1アシストの活躍で3-0の快勝を収めるも、選手たちの心中は穏やかではなかったようだ。
 
 米スポーツ専門チャンネル『ESPN』によると、試合後のミックスゾーンに現われたジェラール・ピケは、目に涙を浮かべながらこう語ったという。
 
「プレーするのが本当に難しいゲームだった。僕のプロのキャリアにおいて、最悪の経験だ」
 
 そして、ゆっくりと経過を説明した。
 
「この状況だから、僕たちは(リーガに)延期を求めた。でも許されなくてね。無観客試合になると聞いて、ロッカールームではいろんな意見が出た。賛否両論があったよ、プレーすべきか否かについてはね。でも、僕らはピッチに立つことを選んだ。サポーターの多くがその決定を快く思っていないことは承知している」
 
 もしバルサ側がリーガの裁定に従わず、ゲームの延期を強行していたら……。その場合は規定によってペナルティーを課され、不戦敗と勝点6の剥奪を言い渡されていたという。
 
 ピケ自身も、危うい立場に置かれている。州政府議会で住民投票が可決された直後、市民に投票を呼び掛けるツイートを書き込んだ。これが国内で大きな波紋を呼び、反独立派を中心に痛烈なバッシングが展開された。「ピケを代表チームから外せ」のハッシュタグが拡散し、アンチ運動がエスカレートしているのだ。
 
 そんななか、スペイン代表のフレン・ロペテギ監督はワールドカップ予選に臨むメンバーにピケを招集。「彼のプロとしてのスタンスを重視している。信頼は揺らがない」と語り、理解を求めた。
 
 ラス・パルマス戦のあと、ピケはこの一連の騒動についても言及。代表辞退も視野に入れていると、苦しい心中を明かした。
 
「誰もが僕を“問題”だと信じるなら、ワールドカップの前に代表チームから退いてもいい。ただ、代表チームは愛国心の度合いを争う場ではないはずだ。チームのために最大限の力を発揮できるか。それこそが重要だと僕は信じているよ」
 
 日本時間の月曜日未明、カタルーニャ州政府は投票の終了を発表した。独立宣言がなされるのは時間の問題だろう。
 
 今後のバルサの身の振り方に注目が集まるなか、ピケは代表チームに合流する。