遠藤がボールを奪われたシーン。だが、この場面が2点目のアシストに繋がった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ28節]仙台2-3浦和/10月1日/ユアスタ
 
 打ち合いの末に浦和が白星を挙げた仙台戦で、勝負を分けたふたつのシーンがあった。
 
 1-1で迎えた60分、敵陣で遠藤航が激しいタックルで相手からボールをかっさらうと、そのまま攻め上がりラファエル・シルバとのワンツーからクロスを供給。中央で興梠慎三がヘッドで合わせ、劣勢に立たされた時間帯に貴重な追加点を奪った。
 
 しかし得点後、仙台の選手たちは遠藤がボールを奪ったシーンに対して「ファウルだろ!」と言わんばかりに、激しく審判に詰め寄り猛抗議。たしかに、本人も「ファウル気味だった」と認めるほどタフなプレーではあった。
 
 では、なぜファウル覚悟でボールを奪取したのだろうか。日本代表戦士は冷静に振り返る。
 
「1-1になった時に自分が(ボールを)奪われて流されたので、あまり(ファウルを)取らないと思った。審判の癖や、どこまで(ファウルを)取るのかという判断もしながらプレーをしたから、強く(ボールを奪いに)いった」
 
 その遠藤がボールを奪われたシーンは50分。自陣の右サイドでパスを受けると、対峙した中野嘉大の激しいプレスに遭いボールを失ってピンチになる。最後は西村拓真がシュートを放ったが、ボールはポストをかすめて枠を外れ、事なきを得た。
 
 失点にならなかったこともあるだろうが、背番号6は審判にファウルを強く主張することはなかった。それどころか、その場面で審判の特性を理解し、次のプレーに活かしたのだから、特筆に値するだろう。
 
 結果的に“タフなプレー”で、勢いがある時間帯に決定機を逃した仙台に対し、勝ち越しゴールを決めて流れを引き寄せた浦和。もちろん、審判によっては、違った試合展開になったかもしれない。それでも、判定基準を見極めた遠藤の頭脳が勝負を分けたと言えるだろう。
 
取材・文:志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)