2ゴールの興梠が得点ランク首位快走 柏木もサポート明言「慎三を得点王にするのが目標」

写真拡大

浦和にとって鬼門のユアスタで、5年連続ゴールと“仙台キラー”ぶりを発揮

 J1浦和レッズの興梠慎三は、1日に行われた第28節の敵地ベガルタ仙台戦で2ゴールを決め、チームを3-2の勝利に導いた。

 中位に沈む苦しいシーズンを送るなかで気を吐くエースに、MF柏木陽介は「(興梠)慎三を得点王にする」と力強いバックアップを約束している。

 浦和は仙台とのアウェーゲーム(ユアスタ)は2010年に仙台がJ1に昇格して以来、1勝3分3敗と相性の悪い“鬼門”だった。しかし、それと正反対の相性を持つのが興梠だ。浦和に加入した2013年から仙台戦は9試合で11ゴール、敵地では4年連続ゴールと無類の“仙台キラー”ぶりを発揮。そして、それはこの日もいかんなく発揮された。

 前半26分、MF柏木陽介がFKからMF梅崎司に出したパスのリターンをゴール前にクロス。DFとの駆け引きでマークを外していた興梠は、打点の高いヘディングでボールをゴールに流し込んだ。興梠は「(柏木)陽介から良いボールが来たので。コースを狙って打つだけだった」と淡々とした様子で振り返ったが、アシストした柏木には予感めいたものがあったという。

「蹴った瞬間に(興梠)慎三に届くと分かったし、慎三のヘディングのコースまで見えるような感じで。仙台はああいうセットプレーから点を取られていないと聞いていたし、普通にやっても、というのがあった」

「センタリングへの入り方は工夫している」

 前任のミハイロ・ペトロヴィッチ監督時代はほぼトレーニングに盛り込まれていなかったセットプレーだが、堀孝史監督に交代してからは非公開練習で攻守ともに入念に準備をするようになっている。そうしたなかで、柏木の正確なキックが興梠の5年連続アウェー仙台戦でのゴールを導き出した。

 さらに興梠は後半15分にも、DF遠藤航のクロスを冷静にヘディングで流し込んだ。4バックにシステム変更してからサイド攻撃が増えており、興梠は「センタリングへの入り方は工夫しながらやっています」と、新しい攻撃パターンにアジャストしている。

 これで今季の仙台戦はホーム(7-0)でのハットトリックに続いて2試合5ゴールと荒稼ぎ。浦和加入以来の仙台戦での成績も、10試合で13ゴールと完全な“お得意様”にしている。

 これで興梠は今季のリーグ戦でのゴール数を19に伸ばし、FW杉本健勇(セレッソ大阪)との差を3ゴールに広げて得点ランキング首位を堅持。6試合を残して、すでに昨季得点王のピーター・ウタカ(現FC東京)とレアンドロ(神戸)のゴール数に肩を並べたが、ラストパスの供給源である柏木は興梠への“徹底アシスト”を宣言した。

浦和では06年ワシントン以来の得点王へ

「これから、慎三のゴールにアシストで絡んでいくと心に決めているから。チームが勝つことにプラスして、慎三を得点王にするのが自分の目標。1試合に1アシストをしていきたい。今日は慎三が2得点してくれて、すごく嬉しかった」

 また、MF矢島慎也は「PKを取ったら(興梠に)譲るというのはあると思う」と試合前の時点から話していた。浦和はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)では準決勝に残り、リーグ戦では来季のACL出場権を取ることが目標に切り替わっている。それと同時に、2006年のFWワシントン以来の得点王を輩出することも大きなテーマだ。キャリアハイのゴール数を更新しているエースがゴールを決め続けることが、そのまま浦和のリーグ終盤戦での勝利につながっていくはずだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images