何かと胡散臭い話が多い墓相。実際にはどうなのか専門家に聞いてみました

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書籍や雑誌のみならず、インターネット上でも墓相に関する言及を見かけることがある。お墓を建立する際に墓相を気にする人も一定数存在するようだ。「教えて!goo」では「墓相学でお墓を建てた方が良い?」と題して質問が寄せられている。

■墓相って信用できるの?

質問者は、近々お墓を立て直すことが決まり、墓相学に従って建立するべきか悩んでいるようだ。悩みとは、墓相には詐欺紛いの内容が多いと聞くし、そもそも必要なのかどうかも分からない。どうしたら良いかと聞いている。早速その回答を見てみよう。

「墓相の通りに建てると、人一人死ぬと石塔が一つ増えます。(…中略)つまり、石屋が儲かるようになっているのですよ。あとはご自身でご判断ください」(noname#19356さん)

「坊さんです。少なくとも仏教徒でしたら、墓相学なるものは気にしないでください。まったく仏教とは関係がありません(仏教のにおいをさせながらまことしやかに説明しているものもありますが関係ありません)。(…中略)自己の宗派の形態をきちんとご縁のお寺さんに聞く等したほうが良いです」(amida3さん)

「あくまでも自分の気持ちで石材店の方と話をして建てました。石材店の方も言われていました。『気持ちを大切にされた方がよろしいです』と。墓相学や石材店の言うような建て方よりも、貴方の心で建てられた方が先祖様も喜ばれるのではないでしょうか」(harapuさん)

回答の内容のほとんどは、墓相を気にする必要はないとしている。僧侶と思しき人の回答もあったが、墓相に関しては否定的な内容であったし、石材業者と思しき回答も、業者用の宣伝の一種であり、最終的には質問者の選択次第であるとしている。

■一種の詐欺と捉えられる面もある。

こんな墓相学、葬儀のプロの目にはどう映っているのだろうか?葬儀の様々な問題に詳しい、心に残る家族葬を運営する葬儀アドバイザーに取材し、お話を伺った。

「墓にも『良い相の墓(吉相墓)』と、『悪い相の墓(凶相墓)』があるとする考え方が『墓相学』と呼ばれるものです。流派による細かい違いはありますが、おおむね『吉相墓』は故人の子孫に繁栄をもたらしますが、『凶相墓』は没落・災難や滅びをもたらす、と言っているようですね」

筆者としては、初耳ではあるが何となく占いに似ているような気がしてきた。葬儀アドバイザーのお話は続く。

「結論から言いますと、この『墓相学』は、一種の詐欺と申し上げて差し支えありません。多くの『墓相学』の専門家が自説の根拠とする『歴史的・宗教的背景』の殆どが、極めて如何わしいものだからです。様々な歴史的資料や教典、あるいは民俗学や文化人類学の研究などから、自分達に都合の良い部分だけをつぎはぎした、取って付けただけのものや、教典の内容や史実を、自説に都合の良いように解釈したりしたものだからです。そうした『根拠』や、それに基づく『墓相学』理論はえてして破綻しやすく、例えば同一著者によって書かれた1冊の本の中でも、しばしば矛盾点が出ていることがあるのです」

筆者は墓相学に関する書籍を読んだことはないが、矛盾や破綻している内容が多いとなると、そういった書籍は読むだけ時間の無駄だろう。

「例を挙げますと、ある墓石がずれたとします。その墓の縁者が困窮するとする一方で、墓石のずれを防ぐために固定すると、病気を招くといわれているという記述があります。この説では、結局墓石はずれてもずれなくても、『凶相墓』だということになってしまうのです。またある本には、遺骨を自然に還すために骨壺に納めず納骨するのは、母胎回帰した死者を母胎から放り出すことになるので、良くない、とする記述があります。しかし同じ方の中で、山林への散骨は、日本人古来の山中他界観を継承するものであり、故人への供養がきちんと行われれば悪くない、とする記述もあるのです。とかく『墓相学』に関する書籍には、この種の矛盾がよく出てきます」

人々の自然に対する考え方や信仰のあり様も、時代によって変わっていくものだ。変化しているものを、無理をして自説に取り込もうとすれば、矛盾が出てきて当然だ。

「手相や人相占いで一喜一憂しているレベルならば、実害は殆どないと考えます。しかしながら、実体の存在しない矛盾に満ちた『墓相』を謳って大金を巻き上げるようなことがあれば、それは占いの域を越え、一種の詐欺と言っても良いでしょう」

確かに、これでは詐欺と言って過言ではないだろう。信じるか否かは最終的には、ご遺族の判断となるが、矛盾が多く納得できないものならば、出来得る限り避けた方が無難でなないだろうか。

専門家プロフィール:心に残る家族葬 葬儀アドバイザー

故人の家族と生前に親しかった方だけで行う家族葬こそが、故人との最後の時間を大切に過ごしたいという方に向いていると考え、従来の葬儀とは一線を画した、追加費用のかからない格安な家族葬を全国で執り行っている。

ライター 与太郎

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)