ロレックス・デイトナ16520

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 腕時計投資家の斉藤由貴生です。高級腕時計の相場が変動するということは、何度もお伝えしていますが、特に最近ロレックスの一部モデルがとても値上がりしてます。特に値上がりが激しいのは、ロレックスデイトナの16520。これは時計ファンにはお馴染みの人気モデルであるため、「高くなっている」というのは当たり前という人もいるかもしれません。

 16520は、2012年から2014年頃にかけて、30万円程度高くなりました。しかし、その後約2年間は値動きがほぼない状況でした。それが、2016年から2017年にかけて相場が急上昇し、この1年で60万円以上も高くなっているのです。また、最近でも1か月単位で高くなっていく様子を目にするなど、その値上がりはまだ止まらない勢いとなっています。

 デイトナの16520というモデルは、日本でロレックスがブームになった際に新品として売られていたモデル。その頃、この時計の定価は65万円(税別)でしたが、新品実勢価格はどのお店でも約120万円というプレミア価格だったのです。そのため、当時デイトナ16520を買うということは、定価の倍で買うということであり、かなり無駄に思えた行為でした。けれども、その16520は現在180万円以上という額で中古が売られているため、2000年頃にデイトナ16520を新品で買った人は「賢い人」だったのです。

 しかしその頃、「デイトナをプレミア価格で買う」人に対して、私は“バカだ”と思っていました(私が腕時計投資に目覚めたのはその2年後)。結果的にバカだったのは私のほうなのですが、デイトナをプレミアで買うという行為に対して疑問を持っていた人は多々いたように思います。

 そして、そのような人たちによく選ばれたのがオメガだったのです。

 90年代後半からのロレックスブームの際、多くの人が高級腕時計に関心を持ちました。そして、その頃から時計雑誌が徐々に増えていき、雑誌で腕時計の買い方を知った人たちが多かったように感じます。その頃は、並行輸入品がはじめて注目された時期だったと言えるでしょう。

 また同じ時期には、ドンキホーテが高級腕時計の販売に力を入れており、どの店舗でも高級腕時計を見ることができました。今では、高級腕時計を販売しているドンキホーテは、都会の店舗やMEGAドンキホーテなどに限られるため、高級腕時計を見る機会は減りました。しかしその頃は、雑誌で情報を得ることができ、さらにドンキホーテで気軽に実物を見れたため、高級腕時計を身近に感じることができた時代だったのです。

 その際、主流だったブランドこそ、ロレックス、オメガ、カルティエ、ブルガリの4つであり、中心価格帯はロレックスが30万円台、オメガが10万円台、カルティエとブルガリが10万円から30万円台という水準。ロレックスは人気のブランドでしたが、デイトナなどプレミア価格モデルが多数あったため、「割高」と感じる人が多かったように思います。そして、そのように感じた人が買ったブランドこそ、10万円台が中心だったオメガなのです。

 では、オメガを2000年頃に買うというのは「お得」だったのでしょうか?

 仮にその頃ロレックスを選択した場合、デイトナだけでなくほぼすべてのモデルがその後、値上がりしているため、ロレックスは「割高」どころか数千円の安い腕時計を買うより遥かに「お得」な選択でした。そのため、結果的にオメガよりロレックスのほうがお得だったということになっているかもしれません。しかし、オメガもきちんと値上がりしているのです。

 当時も今も、オメガの時計のなかで最も人気のモデルといえば、スピードマスタープロフェッショナルですが、1996年から2014年頃まで現行モデルだった3570.50は、10万円程度値上がりしています。