WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 フェデックスカップのプレーオフが終了し、今週はプレジデンツカップ(9月28日〜10月1日)が開催されている。舞台となるのは、ニューヨーク・シティのハドソン河を挟んだ対岸にある、ニュージャージー州のリバティナショナルGC。マンハッタンの摩天楼をバックにして、自由の女神のすぐたもとという、なんとも絶景のコースだ。

 2年に一度行なわれるプレジデンツカップは、米国選抜と世界選抜(欧州を除く)が対戦するチーム対抗戦。それぞれ12名の代表選手によって、覇権が争われる。1994年、グレッグ・ノーマン(オーストラリア)の提唱によってスタートし、今年の大会で12回目を迎える。

 過去11回行なわれた大会の中で、世界選抜が勝利したのは1度だけ。オーストラリアのロイヤル・メルボルンGCで開催された1998年大会だった。

 同大会では、トータル20.5ポイントを獲得した世界選抜が11.5ポイントの米国選抜に圧勝したが、その勝利に大きく貢献したのは、日本の丸山茂樹だ。フォアサム(2人1組でひとつのボールを交互に打ち合う)、フォアボール(2人1組で各々自分のボールを打って良いほうのスコアを採用)、シングルスなどで争われる試合に5戦出場し、すべて勝って5ポイントを稼いだ。


かつてプレジデンツカップで活躍した丸山茂樹

 当時のオーストラリアにおけるメディアの紙面などを見ると、丸山の活躍ぶりを伝える見出しが大きく1面を飾っている。

<日本から来た無名の選手シゲキ・マルヤマが、ノーマン、アーニー・エルス、スティーブ・エルキントンに代わって主役となった!>

 実際、丸山の活躍は見事なものだった。

 初日は、午前のフォアサムでクレイグ・パリー(オーストラリア)と組んで、米国選抜のリー・ジャンセン&スコット・ホーク組に3アンド2で快勝。午後のフォアボールでは、尾崎直道とのペアで、マーク・カルカベッキア&ジョン・ヒューストン組を4アンド3で下した。

 圧巻だったのは、2日目だ。再びパリーと組んだ午前のフォアサムで、タイガー・ウッズ&フレッド・カプルス組と対戦。土壇場の17番でイーブンに追いつくと、18番でパリーがチップインを決めて、米国選抜の”エースペア”を1アップで振り切った。

 その勢いは尾崎と組んだ午後のフォアボールでも止まらなかった。フィル・ミケルソン&デビッド・デュバル組という難敵を、丸山が終盤に3連続バーディーを決めて3アンド2で撃破した。

 最終日のシングルス戦も、ジョン・ヒューストンを相手に3アンド2で手堅く勝利。世界選抜の勝利の立役者となって、その瞬間、丸山茂樹の名は世界中に知れ渡った。

 ちなみに、1大会で全勝して5ポイントを記録したのは、大会史上5人だけ。米国選抜のタイガー・ウッズ、マーク・オメーラ、ジム・フューリック、世界選抜のブランデン・グレース(南アフリカ)と丸山である。

 当時、米国選抜のキャプテンを務めていたジャック・ニクラウスは、敗戦の悔しさにあふれながらも、快進撃を見せた丸山を大いに称えた。

「プレジデンツカップのような大会は、ときに新人のスター選手を生み出すことがある。シゲキ・マルヤマのプレーは本当に素晴らしかった。これから、彼の名前は何度も見て、耳にすることになるだろう」

 丸山は当時29歳。優勝カップを頭の上に乗せて、大喜びする姿はとても印象的だった。そして大会後、世界選抜の勝利の殊勲者はこう語った。

「日本のゴルフは世界レベルじゃないと思っている人が多いかもしれないけど、国を代表して戦えば、これだけいいゴルフができるということを見せられてよかった」

 この活躍で”世界”を肌で感じた丸山は、翌年から積極的に海外ツアーの試合に出場。NEC招待(6位)などで好成績を残して、PGAツアーのテンポラリーメンバーの資格を得ると、見事シード権を獲得。2000年からPGAツアーに本格参戦することとなった。

 思えば、丸山の世界進出への”旅”は、あのプレジデンツカップから始まっていたのだ。

 さて、今年のプレジデンツカップも、米国選抜はランキング上位の選手がズラリとそろう。世界選抜にとっては、かなり手強い相手となる。それでも、その米国選抜相手に、期待の松山英樹ら世界選抜がどこまで食い下がるのか、興味深いところだ。

 また、米国選抜はジャスティン・トーマスをはじめ、6名がプレジデンツカップ初参戦。世界選抜も、シウ・キム(韓国)、ジョナサン・ベガス(ベネズエラ)など4名が初出場となる。丸山茂樹のような新たなスターが誕生するのか、注目である。

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