「募金できる自動販売機」について、愛知県犬山市の野外博物館「明治村」に取材した。

募金できる自販機に4万3000いいね!

明治村にある自動販売機が、ネット上で話題になっている。

明治村は約100万平方メートルの敷地面積に、帝国ホテル中央玄関など明治時代の歴史的建造物67件を展示している施設だ。

ドリンクを売る自販機の陳列棚の左下を見てみると……

募金できる自販機の外観 提供:明治村

商品の代わりに「このボタンは募金ボタンです。明治村の価値ある構造物を保存修理するために使用します。」という説明が書かれており、「100円募金」「50円募金」「10円募金」のボタンが並ぶ。

仕組みは、飲み物を買うのと同様にお金を入れてボタンを押すだけ。飲み物代金と同じように回収され、毎月報告が上がるそう。機種によっては中京圏のICカード乗車券「manaca(マナカ)」に対応しており、電子マネーで募金をすることも可能。

提供:明治村

この自販機にネット上では「良いアイデア」「新しい」「気軽に募金できる」「釣銭を使って募金できますね」「飲み物を買うついでに、ちょっと押しとこうかってなるよね」「盗難防止にも効果あり」と話題に。

同機を紹介した元のツイートは、1週間余りで約3万リツイート、約4万3000いいねを得ている。

客の減少で、さまざまな募金を検討

広報担当者によると、自販機での募金は2011年5月にスタートした。

当時は入村者(来場者)数も減っており様々な募金活動を検討していた中で、具現化したアイデアであったようです。

施設の10棟が重要文化財に指定されるなど価値が高まりつつある一方、ほとんどが築100年を超えて老朽化が進行しており、多額の保存修理費用が必要となっている。

提供:明治村「帝国ホテル正面」

敷居を低く、寄付に興味を

明治村では、「本物の価値を残す、伝える。」をキャッチコピーに、今回話題になった自販機募金だけでなく、重要な建造物を後世に残すためにさまざまな寄付を受け付けている。

例えば「浪漫募金」は500円で寄附いただいた方にピンバッジをプレゼントしています。敷居を低くして、寄附に興味をもっていただけるようにする取り組みです。法人の方を対象に「協賛会員」制度もご用意しています。

さまざまな形で、明治村に保存された文化財を一緒に守っていただけるファン作りをしています。

これまでに寄附金を原資の一部として、「北里研究所本館・医学館」や「芝川又右衛門邸」など複数の建造物を復元、修復した。

提供:明治村

自販機で年7万円の募金

自販機募金では2016年8月からの約1年間で、およそ7万円の善意が集まったという。ネット上で話題になった感想をこう語る。

これまで5年間でこのようなお褒めのお言葉を直接いただいたことは記録にありませんでした。

お客様から「募金できるの〜!?」という驚きの声を通りすがりに聞く事はあり、いい反応だなと感じていました。

今回のお褒めの言葉は明治村としては、関心を高めて頂き嬉しい限りです。

善意の積み重ねが、文化財を支える土台となっている。